研究課題/領域番号 |
19K03291
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
橋本 竜作 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 教授 (00411372)
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研究分担者 |
百々 尚美 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (70351707)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 発達性協調運動症 / DCDチェックリスト |
研究実績の概要 |
発達性協調運動症(DCD)は、協調運動の技能獲得や遂行が同年代の子どもよりも劣っており、不器用さを特徴とする。欧米では、主症状だけでなく、二次障害の予防が重要とされている。予防法の1つとして、漸進的筋弛緩法などの身体に働きかけるリラクセーション技法を含むストレスマネジメント教育が有効である。しかし、発達性協調運動症児は感覚-運動処理に問題があるため、その習得は困難である。そこで筋肉の活動を可視化したバイオフィードバックを利用した指導は、発達性協調運動症児の身体感覚への気づきを促し、漸進的筋弛緩法の習得を容易にするだろうと考えた。本研究の目的は、ストレスマネジメント教育を効果的に行うために、視覚的バイオフィードバックシステムを構築することと、視覚的バイオフィードバックを教育・指導に利用し、漸進的筋弛緩法の効果を自律神経機能で評価することである。 感覚-運動処理が弱い大学生を抽出する一助とするため、小児版DCDチェックリストを成人版に改変し、それをもちいた調査を行い、340名超の回答を得た。探索的因子分析の結果、巧緻運動、粗大運動、ボール操作に加えて、書字関連の因子が認められた。今回、咀嚼に関する項目を含めたが、因子分析の結果では巧緻運動の因子ではなく、書字関連の因子に含まれていた。これは一次運動野において、手指と口舌筋群の運動領域が近いこと、また書字動作と摂食動作(口腔内での食塊形成や咀嚼)は、どちらもその動作に特化あるいは高度化した巧緻運動であり、汎用性のある手指の巧緻運動とは異なる側面があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度も新型コロナウイルス感染症のため、対面での測定は実施することができなかった。当初の計画からは遅れており、特に新型コロナウイルス感染症が小学校での流行が重なったために、実験研究を依頼できる状況ではない。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の流行を考慮し、十分な感染症対策を講じた上で成人を対象とした実験的研究を検討している。ただし、小児を対象とした対面での測定は、今後も難しい状況が続くと予想されるため、保護者からの同意を得ることは難しいと考えられる。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:2021年度は、新型コロナウイルス感染症の流行のため、申請時に計画していた測定を行うことができなかった。 使用計画:研究計画を進めるためにも、次年度(2022年度)では、感染症の流行を踏まえ、十分な感染症対策を講じ、対面での測定を再考し、実施する予定である。そのため人件費および感染対策用便の購入、必要に応じてプログラムの改良に使用する予定である。
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