研究課題/領域番号 |
19K03293
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西口 雄基 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任助教 (50781910)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 抑うつ / 自己概念 / 身体 / 認知バイアス |
研究実績の概要 |
令和3年度の研究成果としては、まず令和2年度に開発した紙筆版の自己概念測定法に関して学会発表を行った。ペーパーテストで実施可能な方法で自己概念を測定し、その変化を観察することができた研究として興味深い結果が得られた。今後データを追加し、論文を執筆して投稿する予定である。もとの計画とは異なる部分として、本研究では教育場面での自己概念の変化について検証することができた。そのため、教育など様々な社会的領域においても本研究の成果を応用できる可能性を新たに見出すことができたといえる。 また、ネガティブな刺激に対する認知のバイアスを測定する実験法を用いた研究を行い、論文を執筆した。身体の運動と注意の間の関係を示した研究で、本研究でも重視している身体と認知バイアスの関係を検証して国際的な専門誌に発表することができた。身体のイメージだけでなく、本研究では身体の運動がネガティブな刺激の処理に与える影響について検証することができたが、先行研究から予想された結果とは異なり、ポジティブな刺激の処理を促すはずの上方向の運動がネガティブ刺激の処理と関連しているという結果が得られたため、今後より詳細なメカニズムの研究が必要である。 さらに、こちらはまだ作成中の段階であるが、本研究において自己概念を計測するための新しい手法を考案し、現在実験を作成している。本年度も対面での実験が難しくなる可能性があり、今後いつ頃に対面実験が可能になるか不明であるため、今後はオンラインでの実験や調査を中心にしていくことを考えており、研究のオンライン化の準備も一部進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度はコロナ禍の影響もあり、対面での実験を控えて調査研究などの方法でデータを取得したり少人数のパイロットテストによって実験の準備を行っていた。そのようにして作成した実験を令和3年度内に本格的に実施する予定だったが、令和3年度も予定外に対面での実験が難しい状況になってしまった。オンライン実験の準備など従来とは異なる方法でデータを取得する工夫をしてみたものの、本研究計画で重視していたトレーニングの実施ができなかった。その代わりに質問紙調査のデータなどを用いて論文を執筆することができており、部分的には計画が遂行できていた。ただし、予想通りの進捗とは言えないため、「(3)やや遅れている」と評価するに至った。
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今後の研究の推進方策 |
パイロットテストの結果などを見て、オンラインで行うトレーニングの内容を変え、自己概念に関する計測の仕方についても新しい方法を考案した。共同研究において自伝的記憶の具体性に関する実験研究を行っていたが、そこから着想した自己概念の具体性について実験で計測する方法である。現在はこの新たな方法による実験を作成中で、今年度内にこれを用いた実験を実施する予定である。また、研究成果は論文にまとめ、国際的な学術誌に発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍において対面での実験実施や研究会及び学会への参加が難しくなってしまったことが原因で、実験謝金や学会参加に関わる諸費用を使用することができなかったことが次年度使用額が生じてしまった原因である。今年度はオンラインで実験を実施するだけでなく、質問紙調査など対面でなくても実施できる方法で研究を遂行し、遅れてしまっていた分の研究を精力的に進めていきたいと考えている。
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