今年度の研究では、昨年度より継続して質問紙を利用した心理的適応に関する研究を行うとともに、自己イメージに対する介入法の研究を行った。まず、本年度の研究の成果としては、国内で使用できるコーピングスタイルを計測するための質問紙を開発し、公開することができた。この質問紙尺度は簡便な上に今後心理療法の効果測定などにも利用できると考えられる。また、この質問紙を用いて日本とドイツにおけるコーピングスタイルの傾向を比較し、精神的適応との関係を検証した。さらに、美術科の授業において、自己概念のポジティブな変化を生じさせる介入法の研究を行い、制作課題の前後で自己イメージがポジティブに変化することを確認した。 また、本年度は発展的な共同研究を行うことができた。この研究では将来に対するポジティブなイメージである楽観性を計測するための日本語版質問紙尺度を開発し、抑うつとの関係について検証を行った。研究の結果、抑うつと楽観性の関係を確かめることができ、将来の研究においても活用できる質問紙尺度を得られた。
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