研究課題/領域番号 |
19K03298
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
渡邉 照美 佛教大学, 教育学部, 准教授 (60441466)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ケアラー / ケア / 生涯発達 / 世代継承性 / 介護 |
研究実績の概要 |
本研究では、10代~30代の青年期・成人前期に家族介護をしている、もしくは家族介護を経験した「若年ケアラー」を対象とし、若者ケアラーとそれ以外の世代のケアラーの実態を明らかにすること、そして若年で介護をする経験が人生にどのような影響を与えるのかを生涯発達の視点から明らかにすることの2点を目的としている。 2021年度には、2020年度(2021年3月末)に実施したWeb調査の結果を分析することを中心に研究を遂行した。2021年3月に15歳から69歳までの介護経験者2070名を対象にWeb調査を実施した。家族以外の介護経験者13名を除いた2057名を分析対象者(男性1010名、女性1047名、平均年齢44.91歳(SD14.42))とした。調査項目については、基本属性、介護に関する項目(介護期間、介護頻度、介護場所、続柄等)、ヤングケアラー心理尺度(奥山,2018)、世代性関心尺度改訂版(丸島・有光,2007)、死に対する態度尺度(丹下・西田・富田・安藤・下方,2013)等。その結果、ケア経験が人生に何らかの影響を及ぼしたのかについては、10代・20代は肯定的な影響があったと回答したものが他の世代より有意に多い結果となり、50代は肯定・否定的両方の影響があったと回答したものが有意に多かった。その他の結果も含め、分析した結果を現在、論文にまとめているところである。また、結果の発信については、市民向けの講座や死生を中心とする研究会等で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響により、面接調査の実施が難しかったため、研究方法を量的な分析に変更せざるを得ず、当初の予定よりも研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
まず質問紙調査の結果を早急に論文化する。次に面接調査についても対面が難しいようであれば、Zoom等を使用し実施する。そして、研究結果を広く発信するために、引き続き、市民向けの講演会や学会等でのシンポジウムを計画している。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響により、行動制限があったため、面接調査実施が難しく、また学会もオンラインに変更になったため、交通費等が不要になり、次年度使用額が生じた。今年度は対面でも面接調査が実施できる可能性が高いので、早急に実施する予定である。学会についても対面で行われる予定であるので、交通費等支出予定である。
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