研究課題/領域番号 |
19K03301
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
松本 佳久子 武庫川女子大学, 音楽学部, 准教授 (90550765)
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研究分担者 |
森岡 正芳 立命館大学, 総合心理学部, 教授 (60166387)
猪狩 裕史 名古屋音楽大学, 音楽学部, 准教授(移行) (70751569)
森 丈弓 甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (00512154)
矢野 環 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (10111410)
一ノ瀬 智子 武庫川女子大学, 音楽学部, 教授 (80388800)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 予備調査 / 臨床データ収集 / ネットワーク形成 |
研究実績の概要 |
・本研究の予備調査として、大阪矯正管区内の刑務所や少年院へ音楽療法プログラムを適用し、集団療法の映像(音声)記録を通じて臨床データを収集した。これらのデータを用いて計量テキスト分析を行い、言語・非言語的相互交流の臨床的変化の評価を試みた。 ・これらの研究の経過報告として、若年受刑者の臨床事例研究について国際学会(4th International Congress Collaborative-Dialogic Practice)で発表したほか、日本国内の学会(日本犯罪心理学会)にて報告した。このことを通じて、本研究の予備調査における経過を周知するとともに、加害者臨床における芸術療法に関心を持つ実践者や研究者らからその知見を収集した。 ・矯正処遇の実務者および学識経験者の情報交換の場として、「司法と音楽研究会」を開催した。このことにより、音楽療法を適用し、あるいは導入を検討する施設関係者、すなわち刑務所、少年鑑別所・少年院の専門職員や施設長、家庭裁判所調査官や大学教員など司法領域における多様な施設間での取り組みの情報交換と共有が可能となった。 ・音楽療法プログラム導入刑務所において、矯正施設職員研修の研究授業のテーマとして本研究のプログラムをとり挙げ、施設及び社会内の矯正処遇に携わる関係者や学識経験者に経過と意義を周知した。この他にも家裁調査官研修会や、少年鑑別所の職員研修などでも本プログラムについて報告する機会を得た。 ・以上の経過から、本年度は再犯防止に向けた音楽療法プログラムの予備調査を進め、施設専門職員や研究者のネットワークを形成することにより、臨床の場への適用と評価に向けた基盤づくりを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画における、国内外のデータ収集・臨床から得られたデータの検討と処遇困難者の再犯・リスクアセスメントツールの検討については、現在も継続中である。
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今後の研究の推進方策 |
・今後は、再犯防止にむけた音楽療法プログラムを行刑施設の処遇困難受刑者および少年施設の支援教育過程へ査定・介入・評価方法を検討し、さらに精査していく。査定・評価方法については、国内の施設で導入されている再犯リスク・アセスメントツールの検討をはじめ、収集した海外の評価方法を導入する。処遇困難受刑者の実状に即した効果測定方法を精査していくことが課題である。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会の会期や開催地の都合により、旅費交通費が節減できたため。
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