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2020 年度 実施状況報告書

自閉スペクトラム症超早期介入法の日本における実用可能なプロトタイプの作成及び効果

研究課題

研究課題/領域番号 19K03307
研究機関弘前大学

研究代表者

大里 絢子  弘前大学, 医学研究科, 助教 (80597162)

研究分担者 廣田 智也  弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (20832041)
斉藤 まなぶ  弘前大学, 医学研究科, 准教授 (40568846)
坂本 由唯  弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (60770386)
高橋 芳雄  弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (70760891)
辰巳 愛香  大阪大学, 連合小児発達学研究科, 特任助教(常勤) (80600551)
森 裕幸  弘前大学, 医学研究科, 特任助手 (60848307)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード自閉スペクトラム症 / 発達障がい / 早期療育
研究実績の概要

目的:Early Start Denver Model (ESDM)は、生後12ヶ月から48~60ヶ月までの自閉スペクトラム症(ASD)児を対象とし、海外において効果が検証されている超早期介入法であるが、日本国内の機関や療育施設では、時間および療育者数の制約のために海外と同様の枠組みを提供することが難しい現状である。そのため本研究では、日本の現状に合わせて提供可能なプロトタイプを作成し効果検証を行うこと、ESDM治療者の地域レベルでの人材育成を促進することを目的とするものである。
研究実績:①ESDMの人材育成-精神科医1名がESDM認定セラピストの申請を行い、認定を得るためのトレーニングを受講している。②ESDMの実施とプロトタイプの作成-ESDMへのリクルートを行うために、2020年度に弘前大学医学部附属病院を受診した4歳以下の乳幼児71名に対して自閉症評価としてAutism Diagnostic Observation Schedule 第2版(ADOS-2)、SRS-2対人応答性尺度(SRS-2)、適応行動尺度としてVineland-II適応行動尺度(Vineland-II)、知的レベル評価としてWPPSI-IIIまたは田中ビネーVを実施し、精神科医による診断が行われた。ESDMの実施は、2019年度9月から1名に対して継続で行っている。2019年10月より、大阪大学などのESDM提供者および精神科医とともに自閉症と診断された児、また社会性に問題を有し療育が必要と判断された児へのESDMを含めた早期療育の効果検証のための研究グループを作り、研究実施計画を作成している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

ESDMの特徴として、おもちゃを介した遊び、および身体接触を介した遊びが主な方法である。現在ESDMは全ケース医療機関にて行っているため、新型コロナウイルス感染症(Covid-19)への感染予防の観点から、定期的な来所・介入が難しい状況である。Covid-19が前年度よりも拡大している状況は想定外であり、同様の理由で新規のリクルートも進められていない。また、ESDM実施の中断によりセラピスト資格取得のためのステップも進みにくい状況が継続している。ESDMアドバンスワークショップも行われなかっため認定セラピスト増員の目標が滞っている状態である。

今後の研究の推進方策

Covid-19への予防を徹底した上で、ESDMによる介入およびセラピスト資格取得ステップの進行を進めていく。
当初は認定セラピストによるESDM実施を計画していたが、Covid-19のため認定取得のためのステップを進めることが難しい状況を考え、アドバンスワークショップ受講修了者が認定セラピスト指導の下実施するESDMも評価の対象と入れることでデータの収集をよりスムーズにする。
大阪大学などのESDM提供者および精神科医らにより構成された研究グループとともに、自閉症と診断された児、また社会性に問題を有し療育が必要と判断された児へのESDMを含めた早期療育の効果検証のための研究実施計画を作成し、各研究機関の承認を得たのち、新規ケースのリクルートを行い、同意が得られた乳幼児に対して介入を開始する。
引き続き地域の保健師、療育関係者、臨床心理士などに対してESDMの紹介を行い、ESDM認定セラピスト資格取得を希望する者をESDMアドバンスワークショップに派遣し、ESDM提供者およびセラピストの増員を図る。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症により研究発表を行う場である各学会、また関連研修がオンライン開催となったことで旅費が不要となったこと、同様の理由でESDMの実施やリクルート自体が滞り、実施に要する検査キットなどの物品の購入が少なかったこと、取得できたデータ数も少なく、データ入力などを行うための人件費を使用しなかったことなどが理由である。
今後は新規ケースの増加に伴い要する検査関連物品の購入として、新規に取得するデータの増加が予定されるため、データ入力人員の人件費として使用する。また学会が現地で開催されることとなれば、旅費としても使用する。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] Prevalence and cumulative incidence of autism spectrum disorders and the patterns of co-occurring neurodevelopmental disorders in a total population sample of 5-year-old children2020

    • 著者名/発表者名
      Saito Manabu、Hirota Tomoya、Sakamoto Yui、Adachi Masaki、Takahashi Michio、Osato-Kaneda Ayako、Kim Young Shin、Leventhal Bennett、Shui Amy、Kato Sumi、Nakamura Kazuhiko
    • 雑誌名

      Molecular Autism

      巻: 11 ページ: -

    • DOI

      10.1186/s13229-020-00342-5

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Development of a Screening Algorithm of Neurodevelopmental Disorders for 5-Year-Old Children Toward Web Survey Systemization2020

    • 著者名/発表者名
      A. Terui , M. Saito , A. Osato , M. Tanaka , N. Takayanagi , M. Adachi , M. Wakuta , Y. Sakamoto , H. Mori , K. Yoshida , Y. Matsubara , T. Mikami , M. Takahashi, K. Nakamura and Y. Yamamura
    • 学会等名
      International Society for Autism Research
    • 国際学会
  • [学会発表] 顕在化しにくい発達障害の早期発見と支援 発達性協調運動症の 早期発見と支援2020

    • 著者名/発表者名
      斉藤まなぶ、 大里絢子、吉田和貴、中村和彦
    • 学会等名
      第62回日本小児神経学会学術集会
  • [学会発表] Creation of eye tracking pattern algorithm for 5 year old ASD screening2020

    • 著者名/発表者名
      Saito Manabu, Ninomiya Masaru, Hakoshima Shuji, Tsuchiya Kenji, Osato Kaneda Ayako Mikami Tamaki, Sakamoto Yui , Yoshida Kazutaka , Terui Ai, Nakamura Kazuhiko
    • 学会等名
      NPBPPP2020
    • 国際学会
  • [学会発表] 5 歳児発達健診での web スクリーニングシステムの活用2020

    • 著者名/発表者名
      斉藤まなぶ、 田中勝則 、大里絢子、足立匡基、坂本由唯、三上珠希、 照井藍、鈴木裕幸、新川広樹、高橋芳雄、 中村和彦
    • 学会等名
      第62回日本小児神経学会学術集会
  • [学会発表] 5 歳児発達健診 Web スクリーニングシステム(ここあぽ)の完成2020

    • 著者名/発表者名
      斉藤まなぶ、 田中勝則、 山村靖彦、和久田学、大里絢子、足立匡基、坂本由唯、三上珠希、照井藍、鈴木 裕幸、新川広樹、高橋芳雄、 中村和彦
    • 学会等名
      第116回日本精神神経学会
  • [学会発表] 3歳児健診における簡便かつ鋭敏な神経発達症のスクリーニング法の探索2020

    • 著者名/発表者名
      大里絢子,斉藤まなぶ,三上珠希,坂本由唯,足立匡基,中村和彦
    • 学会等名
      第61回日本児童青年精神医学会総会
  • [学会発表] 視線追跡装置 Gazefinder を用いた5歳児の ASD スクリーニングアルゴリズムの開発2020

    • 著者名/発表者名
      斉藤 まなぶ、坂本 由唯、吉田 和貴、三上 珠希、大里 絢子、照井 藍、中村 和彦
    • 学会等名
      第61回日本児童青年精神医学会総会
  • [学会発表] 嘔吐に対し強い恐怖を示し認知行動療法と EMDR を治療に加えた回避 ・ 制限性食物摂取症 avoidant /restrictive food intake disorder ARFID) の中学生男子の一例2020

    • 著者名/発表者名
      三上 珠希、斉藤 まなぶ、坂本 由唯、照井 藍、大里 絢子、中村 和彦
    • 学会等名
      第61回日本児童青年精神医学会総会
  • [学会発表] Plasma Oxytocin and Developmental Disorders in Japanese 5-year-old children2020

    • 著者名/発表者名
      Yui Sakamoto, Manabu Saito, Shuji Shimoyama, Ayako Osato, Ai Terui, Kazutaka Yoshida, Tamaki Mikami, Kazuhiko Nakamura
    • 学会等名
      IACAPAP2020
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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