研究課題
認知行動療法(cognitive behavioral therapy:CBT)は、患者の認知や行動をより適応的なものへと変容させていくことを援助する治療法であり、うつ病、社交不安症等の不安症、および強迫症などに対して薬物療法に劣らない治療効果を発揮することがわかっている。しかしながら、本邦の医療現場において、CBTを希望する患者全員に提供できる医療機関や治療者の数は依然として限られている。そこで、CBTが奏効する可能性が高いと判断される患者に優先的にCBTを提供していくために、あらかじめ治療反応性を予測する手法を確立することを目的とする。本年度は、症状評価、MRI検査、認知機能検査の実施体制を整備した後、認知行動療法を受ける予定の不安症12名、強迫症10名、健常対照者25名をリクルートし、症状評価、MRI検査、認知機能検査を実施した。また、それまでに収集したデータを用いて、部位別体積・皮質厚の算出と、ネットワーク解析を進めた。並行して、より詳細な画像データを測定するために、撮像条件の調整を行った。
2: おおむね順調に進展している
認知行動療法を受ける不安症と強迫症患者および健常対照者のリクルートと症状評価、MRI検査、認知機能検査が順調に進んでいるため。
患者と健常対照者のリクルートと症状評価、MRI検査、認知機能検査を引き続き行うとともに、令和元年度までに得られた各種MRI画像と心理指標と治療効果との関連性を調べるためのデータ整備を行う。並行して、より詳細な画像データを測定するための方策を進める。
研究協力謝金と心理検査者謝金の低減が可能であったため、次年度使用額が生じた。画像解析に用いるワークステーションとソフトウェアの導入、研究成果を学会で発表するための旅費と学会登録費、英文校閲費、論文投稿料として使用する予定である。
すべて 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 3件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 5件) 備考 (1件)
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