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2019 年度 実施状況報告書

がん患者遺族の悲嘆に対するミーニング・センタード・サイコセラピーの有効性の検証

研究課題

研究課題/領域番号 19K03312
研究機関静岡大学

研究代表者

幸田 るみ子  静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (30384499)

研究分担者 笠井 仁  静岡大学, 人文社会科学部, 教授 (80194702)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードがん患者遺族 / ミーニング・センタード・サイコセラピー / 悲嘆
研究実績の概要

本研究は、がんで家族を亡くした遺族の悲嘆に対するミーニング・センタード・サイコセラピー(以下MCP)の有効性を検証することを目的としている。研究開始に当たって、研究代表代表者、分担者、専門家指導者と協議と文献研究を重ね、対象者が実施前後に行う評価尺度について、①悲嘆尺度②抑うつ③QOLに加えて④心的外傷後成長(短縮版)を追加することとした。また、質的研究の手がかりとするため、Barry R.ら(2017)を参考に事後インタビュー項目を追加した。
2019年6月静岡大学の人を対象とした研究倫理委員会に研究申請し許可を得た。その後、静岡県内及び関東圏の病院、クリニック、医療センター及び定期的に行われている緩和ケア研究会等で、研究内容を説明し協力施設を募り、同意が得有れた施設で、説明会及び患者会や遺族会で説明会を開いた。その結果、MCPに興味を示し問い合わせ等はあるが、グループへの参加希望者が乏しく、『グループに参加することに抵抗がある』『個人的に行って頂くことは可能か?』という意見が多数認められたため、実施方法を変更し、個別にMCPを実施する方法に切り替えた。
2020年3月末現在、3名の遺族が研究に登録し実施途中である。2020年2月~3月に新規登録希望者が4名あったが、新型コロナウイルス感染拡大にともなう外出自粛要請、緊急事態宣言の影響で、登録取り消し3名、実施延期1名あり、今後いつ開始可能かは未定である。また、現在実施中の対象者3名のうち2名も、同じ理由で2回または3回実施したところで延期となっており、再開時期は未定である。本研究の対象者は高齢者が多く、感染を危惧した外出不安があり、延期はやむ負えないと考えられる。
今後、新型コロナウイルスの感染が長期化し収束に時間がかかる場合、研究実施はかなり困難であり、研究期間を1年延長することも検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

①医療機関によっては、現在通院している患者ではなく、過去に通院又は入院していた患者の家族を対象とした研究を正式に行うことに対する抵抗や懸念が予想以上に強かった。
②対象者は、グループに参加し個人的ながん看護体験について語ることへの抵抗が強かった。米国に比較した日本人の遺族の特徴と考えられた。
上記のため、研究の開始時期がやや遅れた。
③新型コロナウイルス感染拡大にともない、MCP実施が滞っている。③の点は、現在の遅れよりも今後の展開に大きな支障をきたす可能性が高く危惧している。

今後の研究の推進方策

令和2年度は、MCP群の対象者を増やしセッションを行っていく。及びコントロール群の募集と実施を行う予定である。また、MCP群は10名程度集まったところで、評価尺度の結果の分析および、セラピー内容の質的分析を行う予定である。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、MCPの実施が延期されており、感染が長期化、収束までに時間がかかる場合、研究実施が滞る危惧がある。本研究の対象者の多くが高齢者であり、対象者の安全を確保する上でも実施再開時期は慎重に検討する必要がある。従って、場合によっては研究期間を1年延長することも検討している。

次年度使用額が生じた理由

研究の実施がやや遅れているため、データ解析を行うほどデータが集まっておらず、SPSS等のソフトウエアが未購入。また専門家指導を受ける回数も予定より少なかった等のため今年度使用額が少なかった。
次年度使用分は、今年度未購入だった統計処理ソフト(SPSS等)を購入しMCP前後の評価尺度の解析を行う。また、今年度未実施の質的データ解析のためにテープ起こし等を行う研究補助の人件費および専門家からのスーパーバイズの人件費に使用する。

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公開日: 2021-01-27  

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