研究課題
本研究では「後期高齢期および超高齢期における病的な認知機能低下とは何か」について、前期高齢期との比較や認知症の標準的診断基準の限界を検討する視点 から探索し、後期高齢期・超高齢期における健康な老いと認知症疾患とを切り分ける上で核となる特徴を切り出すことを目的としている。新型コロナウイルス感染拡大に伴う新たなデータ収集の困難のため、既存のデータベースの登録者から65-69歳、70-74歳、75-79歳、80-86歳の年齢層別に候補者を選出して検討を行った。全般的な認知機能スクリーニング検査であるMini-Mental State Examination (MMSE)、Montreal Cognitive Assessment (MoCA)に加えて、Clock Drawing Test (CDT)について、下位検査項目等の後期高齢者群での健常標準値やエラーパターンを確認した。さらに期間中に、デジタル入力版CDT(タッチパネル入力)について高齢者を対象として使用する場合の問題点の検証や新たな採点基準の検討、新しい高齢者向け実行機能課題の設計を行い若齢、中高年を対象とした予備調査までを行った。
3: やや遅れている
新型コロナウイルス感染拡大のため新規に超高齢サンプルを収集することを断念し、高齢サンプルを含む、既存のデータベース解析に切換えたことによる。
新型コロナウイルス感染拡大を受けて高齢者から新たに面接形式でデータ収集を行う困難を念頭におき、引き続き既存のデータベースを活用して行うことができる分析を中心に行うこととする。しかし新たなデータ取得が可能な状況であれば積極的に行い、後期高齢期・超高齢期における健康な老いと認知症疾患とを切り分ける上で核となる特徴を切り出すための予備的調査を若齢ー高齢者(安全に調査可能な健康度の高い前期高齢者を中心に)を対象として進めることとする。
新型コロナウイルス感染拡大のため予定していた研究打合せないし研究成果発表のための旅行が取り止めになったこと、また新規に高齢サンプルの大規模調査を断念し、既存のデータベース解析に切換えたことによる。他機関データベースアクセスのための研究打合せないし延期とした分も含め研究成果発表のための参加費・旅費や、新たな調査を実施する経費に充てることを見込む。
すべて 2021
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Journal of epidemiology
巻: - ページ: 1-6
10.2188/jea.JE20210128