研究課題/領域番号 |
19K03322
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
高畠 聡 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (40836863)
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研究分担者 |
高橋 真理子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (00336687)
近藤 真前 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (30625223)
蒲谷 嘉代子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (50569259)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | アクセプタンス&コミットメント・セラピー / TAQ / 慢性耳鳴 |
研究実績の概要 |
慢性耳鳴は長期にわたり生活機能の低下を招くため標準治療の確立が喫緊の課題である。治療として、神経生理学的モデルに基づき耳鳴のコントロールを目指す耳鳴再訓練療法(TRT)が普及しているが、有効性に乏しい。我々は、TRT抵抗性慢性耳鳴の背景に「体験の回避と認知的フュージョンによる悪循環」という心理学的モデルを見出し、TRT抵抗性慢性耳鳴に対するアクセプタンス&コミットメント・セラピーに基づくプログラムを世界に先駆けて作成した。本研究の目的は、同プログラムの完成と効果の検証である。加えて、TRT抵抗性慢性耳鳴に対する治療マニュアルを作成する。本研究は、慢性耳鳴の標準治療法の確立に貢献するものと期待される。2019年度は5名の対象者に同プログラムを実施し、フィードバックを得てプログラムの修正を行った。また、ACTではアクセプタンスに代表される心理的柔軟性の成長が治療の核であり、そのプロセス尺度としてAcceptance and Action Questionnaire(AAQ)が広く用いられている。AAQは特定の疾患毎に多数のバージョンが開発され、耳鳴特異的なAAQとしてTinnitus Acceptance Questionnaire(TAQ)が用いられている。同プログラムではTAQ日本語版での評価が必要となるが、本邦では耳鳴に対するACTのプロセス尺度として有用と考えられるTAQの日本語版が存在しない。そのため、TAQ日本語版を作成し、その信頼性・妥当性の検証を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2019年度はプログラム対象者のリクルーティングが予定数を下回った。2020年度もCOVID-19の影響で通院患者数が減少していることから、リクルーティングが難渋することが予想される。一方、TAQ日本語版のvalidation studyについてはすでに開始している。
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今後の研究の推進方策 |
TRT抵抗性慢性耳鳴に対するアクセプタンス&コミットメント・セラピーに基づくプログラムを完成させ、同プログラムの効果の検証をすすめたい。また、TAQ日本語版のvalidation studyを継続する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究対象者のリクルーティングが滞ったため、今年度に購入予定であった物品を次年度購入することとした。
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