研究課題/領域番号 |
19K03331
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研究機関 | 大阪国際大学 |
研究代表者 |
木村 真人 大阪国際大学, その他部局等, 准教授 (60365004)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 学生相談 / 大学生 / 援助要請 / 大学教職員 / 専門的な心理的援助の利用を勧める意識 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的は,大学の学生相談における必要性の高い課題である「悩みを抱えていながら相談に来ない学生への対応」に取り組むために,大学教職員を対象とした学生相談機関の利用を勧める行動を促進する心理教育プログラムを開発することである。初年度である本年度は、大学教職員等の大学生を取り巻く人物が,大学生に対して学生相談機関の利用を勧める行動のプロセスとそのプロセスで生じる困難を明らかにするために,本研究課題に関する先行研究のレビューを実施した。その結果、わが国の大学生の学生相談領域における援助要請に関する研究は,2013年以降も着実に増加しているが,大学生を取り巻く大学教職員等が学生に利用を勧める意識や行動に関する研究は、主に大学生同士の利用の勧めが中心であり,大学教職員による大学生への学生相談機関の利用の勧めに関する研究は限られていた(例えば,木村,2018)。そのため,大学生自身の学生相談機関に対する援助要請行動のプロセスモデル(木村他,2014)をもとに,木村(2018,2019)で明らかとなった大学教職員を対象とした大学生に学生相談機関の利用を勧める意識と行動に関する知見,加えて大学教職員を対象に,さらなる量的・質的データを収集して,大学教職員が大学生に学生相談機関の利用を勧める行動のプロセスとそのプロセスにおいて生じる困難についての仮説モデルを生成する必要があることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画していた、大学教職員を対象とした調査について、先行研究のレビューの結果から、調査内容・調査項目を見直す必要が生じたため、調査を次年度に繰り越したことから、上記の評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、大学教職員の大学生に学生相談機関の利用を勧める行動のプロセスとそのプロセスにおいて生じる困難の仮説モデルを生成するために、前年度の先行研究のレビューから得られた知見をもとに、大学教職員を対象としたアンケート調査を実施する。さらに、先行研究および調査結果の知見に基づく心理教育的プログラムの作成にも着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた大学教職員を対象とした調査を次年度に延期したため、次年度使用額が生じた。翌年度は、その延期した大学教職員を対象としたWEB調査およびインタビュー調査の実施費用をして使用予定である。
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