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2020 年度 実施状況報告書

保育者のワーク・エンゲイジメントを支援するポジティブ認知行動療法プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K03337
研究機関金沢大学

研究代表者

荒木 友希子  金沢大学, 人間科学系, 准教授 (30334741)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードワーク・エンゲイジメント / 保育者 / ポジティブ心理学
研究実績の概要

保育者が保育の現場で抱える主要なストレッサーを明らかにし,そのストレッサーに対してどのようなコーピング方略をとっているのか,また,そのコーピング方略がワーク・エンゲイジメントにどのような影響を与えているのか調査をおこなった。調査対象者は北陸地方の保育所および認定こども園に勤務する保育者270名であった。質問紙は、年齢・合計勤務年数・勤務形態などを尋ねるフェイスシートと以下の3つの尺度から構成された。(1)保育士ストレス評定尺度(赤田, 2010)(2)職務評価コーピング尺度(森本・嶋田, 2010)(3)ユトレヒト・ワーク・エンゲイジメント尺度短縮版 (Shimazu,et al., 2008)。各尺度に関して因子構造を確認した後,「ストレッサー(4因子)→ ストレスコーピング方略(5因子)→ ワーク・エンゲージメント(1因子)」のモデルを仮定して共分散構造分析をおこなった子ども理解ストレッサーは問題解決コーピングに負の影響が、子ども対応のストレッサーは休息・気晴らしコーピングに負の影響がみられた。保護者対応ストレッサーは,問題解決,諦め,感情発散,休息・気晴らしコーピングにそれぞれ正の影響がみられた。時間・給与欠如のストレッサーは,休息・気晴らしコーピングに負の影響がみられた。また、問題解決,諦め,および、休息・気晴らしの各コーピングがそれぞれワーク・エンゲージメントに有意な影響を与えていた。本結果から,保育者は同時に様々なストレッサーを抱えていること,特に保護者対応のストレッサーに対しては多様なコーピングを併用して対処していること,保育者のワーク・エンゲイジメントを向上させるコーピング方略は問題解決と休息・気晴らしであり,逆に低下させるのは諦めであることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、関係機関から協力を得て研究を遂行中のため。

今後の研究の推進方策

これまでおこなった研究から導かれた保育者のワーク・エンゲイジメントのモデルを検証するための調査研究を実施する予定である。具体的には、紙媒体による無記名式調査用紙を郵送し、返送してもらう。回答協力者は、石川県、福井県、富山県、新潟県、愛知県、山梨県、千葉県のこども園また は保育所に勤務する保育者約500名を予定している。

次年度使用額が生じた理由

197円の残高調整ができなかったため

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 保育者のワーク・エンゲイジメント2021

    • 著者名/発表者名
      荒木友希子
    • 雑誌名

      地域ケアリング

      巻: 2021年6月号 ページ: inpress

    • 査読あり
  • [学会発表] 保育者の感情労働がワーク・エンゲイジメントに与える影響2020

    • 著者名/発表者名
      荒木友希子
    • 学会等名
      日本心理学会 第84回大会
  • [学会発表] 保育者の勤務年数と感情労働がワーク・エンゲイジメントに与える影響2020

    • 著者名/発表者名
      木友希子・仲野咲彩
    • 学会等名
      北陸心理学会 第53回大会

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公開日: 2021-12-27  

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