研究課題/領域番号 |
19K03339
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
岡本 英生 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (30508669)
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研究分担者 |
河野 荘子 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (00313924)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 非行 / 立ち直り / 再犯防止 |
研究実績の概要 |
非行少年からそのまま成人犯罪者に移行するというのは一部のケースであり,多くの者は加齢とともに自然と非行をやめていく。このように多くの非行少年が立ち直るメカニズムが明らかになれば,非行少年をさらに早く立ち直らせることや,これまで立ち直りがむずかしかった者を立ち直らせることができるようになることが考えられる。本研究では,立ち直りを説明するための理論的枠組として,パーソナリティ特性が変わるのではなく,その特性が発揮される場面や対象が変わるという方向性の転換概念を用い,Web調査を活用した実証的な調査を行うことで,非行からの立ち直りのメカニズムの解明を行う。特に研究の中心となるのは令和2年度以降に実施するWeb調査を活用した大規模なアンケート調査及びインタビュー調査である。令和元年度は,これらWeb調査・インタビュー調査の準備を行った。具体的には,Web調査の結果の分析で用いる統計ソフトの準備,関連する内外の先行研究の収集と検討,そして以前に実施していた予備調査(Web調査ではない)の分析・検討である。立ち直り研究は世界の研究者の間で徐々に注目を集めるようになっており,関連する論文や書籍が以前よりも多く見られることがわかった。また,予備調査は対象者100人程度の小規模なものであるが,その分析結果では,本研究における理論的枠組である方向性の転換が一部実証され,本研究のWeb調査を実施する上での質問項目の策定で参考となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Web調査やインタビュー調査の準備はある程度進んでいるものの,昨年度末に予定していた研究打合せが新型コロナウイルス感染防止対策の影響で実施されなかったことなどから,予定していたものに比べればやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は,Web調査及びインタビュー調査を実施し,立ち直りメカニズムについての実証的な検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
年度末に研究打ち合わせを予定していたが,新型コロナウイルス感染防止対策のため実施できなかった。また,すでに収集していたデータ・資料の検討を優先したため,当初予定していたほど予算を使用しなかった。以上により生じた次年度使用額については,新たな資料収集を行うための費用などに使用する。
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