研究課題/領域番号 |
19K03341
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研究機関 | 鳴門教育大学 |
研究代表者 |
内田 香奈子 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (70580835)
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研究分担者 |
山崎 勝之 鳴門教育大学, 大学院学校教育研究科, 教授 (50191250)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ストレス・コーピング / 潜在的・顕在的感情 / 感情教育 / ユニバーサル予防 |
研究実績の概要 |
今年度はまず、児童用インプリシット感情尺度(Implicit Positive and Negative Affect Test for Children; IPANAT-C)の標準化に向けた準備を行った。この尺度はインプリシット・正負アフェクト・テスト(Implicit Positive and Negative Affect Test; IPANAT)の基本的な考え方を踏襲し開発された児童版尺度である。これまで内田他(2014, 2016)では因子構造の確認、ならびに信頼性と妥当性の検証がなされた。しかし、男子のインプリシット負感情(Implicit Negative Affect: INA)を測定する因子の妥当性が未確認な状況にあった。今年度は妥当性検証のための測定ツールについて、研究分担者とともに再度検討を行った。 また、上記の作業と平行して、感情教育プログラムの再作成作業を行った。これは学校予防教育プログラム「トップ・セルフ」(TOP SELF: Trial Of Prevention School Education for Life and Friendship)の理論をベースに開発された感情教育プログラム「感情の理解と対処の育成」(内田・山崎, 2012)のうち、小学校6年生を対象としたプログラム内容をベースに改定を行った。改訂方針について、山崎他(2018)では精度を高めるための重要な改訂ポイントのひとつに、現場の教員が実施する際の簡便性をあげている。また、国外でもユニバーサルな教育実施や効果にかかわる教材、時間そして実施する人員などのコストの問題が指摘されている(Hunter et al., 2018)。これらの指摘を元にその基準を整理する作業から進め、再作成作業を進めた。なお、その成果の一部を国内学会のシンポジウムやUchida et al.(2019)において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
IPANAT-Cの標準化作業(研究1)がスケジュール上、実際の調査まで行うことが出来なかったため、「やや遅れている」と判断した。ただし、感情教育プログラムの実施による再改定作業(研究3)については、感情教育プログラムの再作成作業(研究2)が精度高く遂行出来ているため、簡略化できる可能性が高い。その分、やや遅れている作業を進めたい。
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今後の研究の推進方策 |
まずはIPANAT-Cの標準化作業(研究1)を実施した後、続けてプログラムを実施し(研究3)、IPANAT-Cを利用した教育効果検証(研究4)を行いたい。なお、すべての作業や実施はコロナウイルスの影響による現場の状況を勘案しながら進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
IPANAT-Cの標準化作業(研究1)が予定より遅れたため、予定していたデータ入力補助を学生アルバイトに依頼しなかった。そのため、人件費・謝金を予定通り執行できなかった。次年度使用額については2020年度にデータ入力補助依頼のための人件費・謝金および調査実施のための物品購入や旅費として使用する予定である。
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