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2019 年度 実施状況報告書

支配‐被支配関係から捉えるデートDVの実態

研究課題

研究課題/領域番号 19K03356
研究機関四天王寺大学

研究代表者

上野 淳子  四天王寺大学, 人文社会学部, 准教授 (90460930)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード恋人による被支配感 / 尺度作成 / デートDV
研究実績の概要

従来のデートDV実態調査では、男性の方が暴力行為を多く受けていることが示されてきた。しかし、これらの調査は、暴力行為の頻度のみを尋ね、頻度が高ければデートDVの被害も大きいと判断している点で問題である。暴力の本質は暴力行為そのものではなく、それが生み出す支配的関係性であるため、暴力行為に加え、その心理的結果である支配-被支配関係を把握すべきである。そのために研究代表者が作成し、これまでの研究で用いてきたものに「恋人による被支配感」8項目があるが、2019年度は項目数を増やした上で信頼性・妥当性を高め、尺度として完成させることを目的とした調査を行った。
まず、支配-被支配関係に関する国内外の文献を収集し、知見を整理した。それをもとに被支配感に関する複数の因子を設定し、従来の項目の整理と新たな項目の作成を行った。研究代表者以外の複数の専門家による内容的妥当性の検討を経て、「恋人による被支配感」を測定する24項目を確定した。妥当性検討に使用する他尺度のための文献研究も行い、既存の5種類の尺度を選定した。それらを盛り込んだ質問紙を作成し、関東、中部、近畿、中国地方の大学生および短期大学生約1,000名を対象とした質問紙調査を実施した。そのうち約50名には、再検査信頼性検討のための2度目の質問紙調査も行った。調査への協力、回答が得られたのは約800名であった。現在は得られた回答のデータ入力が完了し、統計分析を行って結果を整理している最中である。
成果発表は、学会発表1件、学会発表の申し込み1件を行った。現在さらに学会発表1件の申し込み準備を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、支配-被支配関係に関する国内外の文献収集、知見整理、項目作成と質問紙調査を行うことができた。また、当初予定していなかった学会発表を行うことができた。

今後の研究の推進方策

当初の予定通りの研究を行う。
今回調査分のデータ分析を完了させ、恋人による被支配感尺度を完成させる。その成果を学会で発表する。
2020年度は、完成した尺度を用い、調査会社に委託して、交際中の恋人がいる未婚の若者を対象としたデートDV被害実態のインターネット調査を行う。

次年度使用額が生じた理由

旅費が予定と異なりほとんどかからなかった。これは、質問紙調査実施にあたり調査協力校に研究代表者が出向くための旅費を計上していたが、メールや郵送のやりとりで済み、さらに成果発表を行った学会も近隣での開催だったためである。質問紙データ入力のアルバイト代も、作業がスムーズに済んだため当初の予定より少額となった。
2020年度は遠方で行われる学会での成果発表2件を予定しているため、その旅費に充てる。また、調査会社に委託してインターネット調査を行うが、調査項目や調査対象者数を当初の予定より拡充する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] パートナーによる被支配感と暴力行為被害の関連~恋人と配偶者による違い2019

    • 著者名/発表者名
      上野淳子
    • 学会等名
      日本心理学会第83回大会

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公開日: 2021-01-27  

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