研究課題/領域番号 |
19K03360
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
竹内 いつ子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (30760665)
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研究分担者 |
武井 祐子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (10319999)
門田 昌子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 講師 (20549620)
林 秀樹 就実大学, 教育学部, 助教 (70827732)
岡野 維新 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 助教 (10824021)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | シェアリング / コラージュ / 発言数 / 発言内容 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、参加者同士の会話を量的かつ質的に活性化しうるシェリングの条件を明らかにすることである。シェアリングに先立つ活動として、コラージュ制作を設定している。コラージュ制作の活動的意義は、参加者が自身の感覚や好み、創造性を反映した作品を制作できることで、参加者の気分に活気をもたらし、肯定的に変化させうる点である。2019年度は、2つの実験を行い、コラージュ制作の活動的特徴が、シェアリングでの参加者同士の会話の量と質にどのような影響を及ぼすのかを検証した。実験1として、コラージュ制作を構成する「材料選択」と「材料の組み合わせ」の制限の有無を設定した。実験計画と実験手続きが実験参加者に無理なく取り組めるものかどうかを確認するために、予備実験として、大学生および大学院生16名を対象に、下記のいずれかの群に割り当て,4人1組でコラージュ制作とシェアリングを実施した。シェアリング時の参加者の発言数と発言内容について、群間比較した。 (1)自由コラージュ群:材料選択および組み合わせに制限がないコラージュ制作群 (2)制限コラージュ群:材料選択および組み合わせがともに制限されたコラージュ制作群 予備実験の結果、実験の材料と手続きを修正する必要が生じたため、その点を修正し、加えて、コラージュ制作方法の制限をより詳細に検討することとした。2019年度末時点で、実験2として、上記の2条件に、以下の2条件を加え、実験を実施している。 (3)選択制限コラージュ群:材料選択は制限されるが,組み合わせは制限されないコラージュ制作群 (4)組み合わせ制限コラージュ群:材料選択は制限されないが,組み合わせは制限されるコラージュ制作群
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験の開始にあたり、予備実験を組み込んだことで、本実験の実施が遅れた。予備実験の結果、実験手続きに修正の必要が生じ、検討に時間を要した。また、実験協力者とのスケジュール調整に予想よりも時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
予備実験の結果をまとめ、手続きと条件設定を修正し、本実験を行う。 本実験1は、大学生および大学院生を対象に、コラージュ制作の材料選択および材料の組み合わせについての制限の有無に関する4つの条件群のいずれかに割りあて、4人1組でコラージュ制作とシェアリングを実施する。シェアリング時の参加者の発言数と発言内容について、群間比較を行い、シェアリングでの参加者間の会話を促進しうるコラージュ制作の条件を明らかにする。本実験2は、大学生および大学院生を対象に、4人1組で本実験1で明らかとなった参加者間の会話を促進しうる条件によるコラージュ制作を行い、その後シェアリングを実施する。本実験2では、シェアリングでの質問の内容が異なる条件群を設定し、シェアリングでの参加者の発言量及び参加者の自己開示の内容について群間比較を行う。本実験2を行うことで、参加者間の会話量を増やし、参加者の自己開示を促進しうるシェアリングの条件を明らかにする。 実験協力者とのスケジュール調整は、日程に余裕をもって行う。 新型コロナウィルス感染対策も加味して実験室の設定を見直し、実験協力者および実験者の感染リスクを避けられる環境を設定し、その旨実験協力者に説明したうえで、実験への参加の同意を得る。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験計画の修正の過程で、実験に使用する備品の適性を検討しており、物品購入時期が遅れたことで、決済が年度内で行えず、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、データの整理と分析に必要なノート型パソコン、関連物品を発注済である。2020年度は、さらに、実験材料であるコラージュ素材シートを追加購入し、データ収集のための機材および物品の購入、学会発表および論文投稿のための費用として使用を計画している。
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