視覚運動情報によるヒトの視知覚と身体的効果について、心理実験による検討を行った。まず、ヘッドマウントディスプレイで観察するオプティックフロー視覚刺激に対する反応について、知覚される自己運動感覚(ベクション)と、無意識に生じる身体動揺の関係に関する一連の成果を得た。また、通常のディスプレイ上の基礎的な視覚運動刺激を用いた心理物理実験による知覚特性に関する一連の知見が得られ、一部を国立台湾大学との共同成果として発表した。さらにfMRIを用いて脳内機構を推定する実験を予備的に実施した。期間中に生じた新型コロナ禍により十分なデータが得られなかったものの、今後の研究に向けた改善の示唆を得た。
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