研究課題/領域番号 |
19K03374
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
青山 謙二郎 同志社大学, 心理学部, 教授 (50257789)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 時間帯制限摂食 / ラット / 砂糖 / 体重増加 |
研究実績の概要 |
時間帯制限摂食により総摂取カロリーは変化しないにも関わらず肥満が大幅に緩和される。しかし、現実に人間が全ての食べ物を摂取する時間を制限することは社会生活上、必ずしも容易ではない。そこで、2019年度から2020年度にまたがる実験では、ラットが砂糖を摂取する時間を制限する効果を検討した。その際、全ての条件でラットが栄養のバランスの取れた通常の飼育用飼料を常に摂取可能な状態で個別飼育された。つまり、制限されたのは砂糖を摂取する時間のみであった。ラットは飼育スペース内にレバーとペレット提示装置が設置された装置で飼育され、実験を受けた。装置内の明暗サイクルは12時間ごとに明期と暗期が交替した(13時から1時までを暗期に設定した)。また、ラットはレバーを押すことで1粒45mgの砂糖ペレットを得ることができた。連続強化スケジュールで、1回レバーを押すたびに1粒の砂糖ペレットが提示された。全てのラットが60分間の砂糖摂取セッションを1日に4回経験した。ただし、半数(6匹)のラットは、明期に2回(2時と8時)、暗期に2回(14時と20時)であり、砂糖を摂取する時間帯を暗期に制限しなかった(非制限群)。残り半数(6匹)のラットは砂糖を摂取する時間帯を4回(14時、17時、20時、23時)とも暗期のみに制限した(制限群)。実験は8週間継続した。実験の結果、飼育用飼料の摂取量には差がなかった。しかし、非制限群のラットは明期には砂糖ペレットの摂取量が減少し、制限群に比べて少なくなった。総摂取カロリーにおいては、制限群が非制限群よりも多い傾向が見られたが、体重の増加には群間で差がなかった。このことは、砂糖の摂取機会を暗期に制限することで、代謝が相対的に上昇している可能性を示す。ただし、総摂取カロリーの差は少なく、有意な差ではなかったため、この結論はまだ確定的ではない。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度の最初の緊急事態宣言の時点で実験を中断した。その後、諸事情により新たな実験が再開できなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
上記の中断時点で装置の整備が新たに必要となったが、業者が緊急事態宣言などで対応が難しくなり必要な整備が終わらなかった。今後、問題点を改善して、実験を再開予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2019年度から2020年度にまたがる実験を継続していたが、事情により中断した後、再開できなかったため、次年度使用額が生じた。今年度の実験再開後に、餌などの購入費(物品費)を中心に使用する予定である。
|