前頭葉の運動前野背側部は視覚情報に基づく目的志向的行動に重要な役割を示す。目的志向的行動には複数の計画プロセスがあるが、その神経表現については未知の点が多い。そのため、行動の目的(動作アイディア)と具体的な動作(アクション)に関わる要素を時間的に分離可能な行動課題を作成し、この課題を遂行中の被験者の神経活動を7テスラMRI装置を用いた機能的磁気共鳴画像法 (fMRI) で測定する実験を実施した。解析の結果、運動前野背側部が、視覚情報と動作アイディアやアクションとを結びつけること、動作アイディアからアクションへの変換、アクションの準備の各過程に関与することを示唆する結果が得られた。
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