協調行動は、ヒトの社会に見られる普遍的な特徴である。ただし、裏切りがあると協調関係は成立しない。本研究では、協調行動を成立させる鍵となる裏切りの検出と隠蔽におけるダイナミクスを検討した。それにあたり、「裏切りシグナルの隠蔽やその検出は無意識的な過程か、それとも意識的か?」という疑問を設定した。刻一刻と変化するコニュニケーションにおいて、裏切のシグナルを隠蔽し、それを掻い潜り検出することは、時間的にも資源的にも負担が掛かる。その負担を考慮すると、これらの処理は無意識的・自動的に行われると考えられる。行動実験、瞳孔径計測の結果から、裏切りのシグナルの隠蔽は無意識的に行われるということを示した。
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