研究課題/領域番号 |
19K03386
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
北村 美穂 早稲田大学, 高等研究所, その他(招聘研究員) (80748799)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 音声プロソディ / 印象形成 / コミュニケーション / 感情伝播 |
研究実績の概要 |
DAVID (Da Amazing Voice Inflection Device (Aucoutuier et al., 2016))は、リアルタイムでプロソディ変調を可能とする音声変調システムである。本課題では、これを用いて対話者の音声プロソディを陽性・陰性感情方向へ変化させ、会話時の感情や印象形成にどのような影響を及ぼすか明らかにすることを目的としている。
3年目である本年度は、二者間対話時の個人差を検討し、課題全体のまとめをおこなう予定であったが、昨年より続く新型コロナウィルスの蔓延に伴い二者の対面会話実験が昨年に引き続き本年度前期まで全面的に中止となったために、実験データを取得することが難しかった。しかし、本年度後期から徐々に実験再開が可能となり、本来であれば昨年度に取得する予定であった「音声プロソディを同調/非同調させ、心理ならびに生理指標へ与える影響を検討する会話実験」を無事終了することができた。現在鋭意、印象評価データ、音声データ、心拍/皮膚電気データの解析を進めている。これらのデータは解析後すぐに本年の国際/国内学会にて発表予定である。しかしながら研究計画全体はおよそ1年の遅れが依然としてあるため、当初3年を予定していた研究期間を1年間延長し、次年度は本来3年目のテーマであった「音声変調から受ける影響の個人差の検討」を実施していく予定である。
また昨年度の実績報告時には国際誌に条件付き採択であった研究成果「発話内容の理解は、話者自身に関係のない内容であっても話者のプロソディの感情価に左右される認識される」が、採択となっていることもあわせて報告する(International Journal of Affective Engineeringに掲載)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの蔓延に伴い、昨年より二者対面での会話実験が中止となっていたため。
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今後の研究の推進方策 |
実験再開後に取得した二者音声会話時の行動並びに生理データを速やかに解析し、それらの成果発表をおこなう。また本来であれば3年次に予定していた個人差の検討も同時に進め、新たな知見の創出を目指す。感染症による実験中止の影響が大きく、残された時間は限られているが、その分、研究補助業務のアルバイトなどを雇うなどして、迅速に遂行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルスの蔓延に伴い、予定していた国際学会発表を中止したため渡航ならびに発表に関わる予算の使用が不十分であった。次年度は、開催可能になった学会への参加また論文の投稿にて消化していく。
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