本研究では、二者間対話場面でのリアルタイムの音韻的特徴変化が、対人印象形成や感情状態に及ぼす影響を検討した。研究の結果、リアルタイムでの話者の音韻的特徴の変化によって、対話者への印象や会話に対する印象が変化し、特にそれは対話者間の性別の一致や、音韻的特徴の同調/非同調の影響を受けることがわかった。またこうした印象変容は、生理的変化を伴って生じることがわかった。これらの成果は、二者間コミュニケーションに及ぼす発話の音韻的特徴の機能的意義を示すものであり、音韻的情報がいかに対人コミュニケーションに重要な役割を果たしているかを示唆するものである。
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