研究課題
基盤研究(C)
マウスの情動を非侵襲的に測定する新たなテストバッテリーを開発するために、社会的場面や嫌悪的場面に置かれたマウスの超音波発声、体表面温度、表情に関する時系列データを収集し、同時に測定した行動データを加えて、それらの時間的相関関係(反復測定相関とグレンジャー因果の検定)を検討した。その結果、各指標間に有意な相関関係が検出されたがその数が多すぎるため、情報を集約するためのより有効な時系列データに対する統計的方法論が必要だと考えられる。
実験心理学
社会的に大きな変化がみられる動物倫理の観点からすれば、実験動物にとってより負荷の少ない情動測定方法の開発は喫緊の課題だと考えられる。ペット等の小動物の情動測定については社会的なニーズが高まりつつあり、動物の情動測定技術の応用面を考える上でも、その非侵襲的な測定法は社会的に望まれる技術である。測定技術の進歩から膨大な時系列データを収集することは心理学でも可能となってきたが、そうしたデータの集約方法について検討を続けることは今後も必要であり汎用性の高い学術的価値がある。