研究実績の概要 |
偏極トーリック多様体の射影正規性と定義イデアルの生成次数に関係する正則性に関するEisenbad-後藤予想から、藤田の定義したデルタ種数に関する新たな不等式の予想を定式化し、4次元以下では正しいことを証明した。アンプル直線束の随伴束が自明でない大域切断を持つときのデルタ種数の不等式を、一般次元で証明し、等式の成立する多様体を決定した。 これらの結果を論文にまとめてプレプリントとしてウェブ上に公表した。 S. Ogata and R. Tabei, An inequality for the delta-genus of toric varieties, arXiv:2309.1053.2023 シンガポール大学で開催された研究集会「Recent Developments in Algebraic Geometry, Arithemetic and Dynamics(代数幾何学と数論、力学系における最近の発展』」(8月21日から25日)に参加して、講演を聴き、参加者と研究に関する情報を交換した。 また、熊本の南阿蘇で開催された研究集会「代数幾何学とその周辺の話題」(9月10日から13日)に参加して講演を聴き、「格子多面体に関するある不等式について」の題で講演した。 さらに、フランクフルトのゲーテ大学で開催された研究集会「Vector Bundles and Combinatorial Algebraic Geometry(ベクトル束と組み合わせ代数幾何学)」(10月9日から13日)に参加して講演を聴き、「An inequality for the delta-genus of toric varieties」の題名でミニトークを行った。研究集会参加者と議論して研究成果の詳しい内容を説明し、今後の研究方針の立て方への刺激を受けた。
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