研究実績の概要 |
2021年7月頃から11月まで, 超対称性を持つ頂点代数の構造を研究した. 超対称頂点代数はHeluaniとKacが2007年頃に導入した頂点代数の類似概念で, 通常の頂点代数が場を使って定式化される所を, 超場を使って定式化されるものである. 通常の頂点代数には標準的なフィルトレーションであるLiフィルトレーションやそれに付随して得られるassociated schemeの概念があるが, 今回の研究では、それらが任意の超対称性頂点代数についても導入できることが明らかになり, 特に, 付随する次数加群に頂点Poisson超代数の構造が入ることが示された. そして超共形代数の表現論とassociated superschemeのPoisson幾何学との関係を調べた. 成果はプレプリント Shintarou Yanagida, "Li filtrations of SUSY vertex algebras", arXiv:2111.05734 で発表した. 前項に引き続いて, 2022年初めから現在に至るまで, 頂点Poisson代数の変形理論を研究している. 特にPoisson代数の変形理論を支配しているdg Lie代数との関係, smoothな可換代数上のPoisson構造の変形理論を司るLichnerowicz複体と頂点Poisson代数の変形理論との関係を研究している. この研究は来年度に引き継ぐことになった. また昨年度までの研究成果について2件の口頭発表と京都大学における談話会講演を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に引き続き今年度も比較的に研究が進んだ. 特にPoisson代数・Poisson幾何のカイラル量子化について超対称性を取り入れた研究ができたこと,引き続きの研究課題が数多く見つかったことに満足している. また集会の開催に参画して, 大きな成功を収めることができた. 反省点は口頭発表の数が少なかったことであり, 来年度は改善したい.
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今後の研究の推進方策 |
頂点代数のオペラッド理論がBakalov, DeSole, Kac, Heluaniらによって展開されている. その超対称頂点代数における類似の理論を考察し, 今年度の研究との関係を探索する.
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