研究実績の概要 |
パラメーターが (1/2,1/2,1) の超幾何微分方程式に関する Schwarz 写像の逆写像は、SL(2,Z) のレベル2の主合同部分群Γ(2) の作用に関して不変な複素上半平面上の関数となり、それはλ関数と呼ばれている。その関数は、 2つのテータ定数の4乗の比で表示される。パラメーターが (1/2,1/2,1) の超幾何級数の変数にλ関数を代入した関数は、あるテータ定数の2乗と一致するという Jacobi の公式が古典的に知られている。 パラメーターが (1/4,3/4,1) の超幾何微分方程式に関する Schwarz 写像とその逆写像を考察することにより、Jacobi の公式の類似公式を得ることができた。その公式において、上半空間の変数を2倍にした場合に、関数たちの変化を追跡することで、超幾何関数がみたす変数変換公式を与えた。そしてこの公式から2つの拡張された平均を定義して、これらの平均を繰り返し行うことで得られる極限の表示公式を与えた。それらの結果は以下のページで公開されている。 http://arxiv.org/abs/2202.11856 パラメーターが (1/12,5/12,1) と (1/6,1/2,1) の超幾何微分方程式に関する Schwarz 写像とその逆写像を考察することで、SL(2,Z) と SL(2,Z)とΓ(2)のある中間群の作用に関して不変な複素上半平面上の関数を構成し、Jacobi の公式の類似公式を得ることができた。これらの公式を組み合わせることで、超幾何関数がみたす関数等式を与えた。それらの結果は以下のページで公開されている。 http://arxiv.org/abs/2203.07617
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