研究実績の概要 |
多変数超幾何関数 Lauricell's F_D に関係する相対ねじれ(コ)ホモロジー群についての投稿中の論文を査読報告書の指摘に従い改訂作業を行った。いくつかの定理の証明を簡略化し、査読者の指摘以外にも数学的な誤りを1か所修正し、再投稿した。現在再査読中になっている。ここでの修正で、相対ねじれコホモロジー群を用いて、ガウスマニン系を考察する場合には、正則ベクトル束ではなくC^∞級ベクトル束を用いる必要性が判明した。 ヤコビの公式と呼ばれる楕円曲線族に対する周期写像やラムダ関数を介して成立しているパラメーターが (1/2,1/2,1) の超幾何級数とテータ定数の関係式から、パラメーターが (1/4,1/4,1) の超幾何級数とテータ定数の関係式を導き、算術幾何平均の超幾何級数による表示公式の類似式についての投稿中の論文を査読報告書の指摘に従い改訂作業を行い、いくつかの誤りを修正して再投稿した後、掲載決定となっている。 法政大学理工学部の研究者との共同研究で、複素(k,n) 型行列でどのk次小行列式も0にならない集合 M(k,n)上の基本群の生成系を与えた。その生成系を利用して, M(k,n) 上で定義され、複素一般線形群 GL(k,C) と 0 でない複素数全体がなす乗法群 C^* の n の直積 (C^*)^n の作用に関する変換則をみたす n個の複素パラメーター α_1,...,α_n を有する関数がみたす微分方程式系 E(k,n;α) のモノドロミー表現をパラメーターの非整数条件下で決定した。この研究に相対ねじれホモロジー群を導入することで、パラメーターの非整数条件の削除が期待できる。
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