研究課題
最終年度に実施した研究の成果:有限次元多元環上の剛性次元と対称多元環に関する研究を行った。多元環の大域次元と支配次元という二つの次元に関連する新しい次元として初年度に発表した剛性次元について,特に入射的多元環の剛性次元の有限性の問題を基本的な多元環で確認する研究を行った。その結果,中山多元環について,それが対称多元環である場合に剛性次元を分類した。さらに,有限次元遺伝多元環の(自己双対両側加群による)すべてのホッホシルト拡大多元環の剛性次元を,遺伝多元環がクロネッカー多元環である場合に決定した。対称多元環である曲面多元環の研究も継続し,これまでに得られた成果の見直しと改良などを行って論文を完成させた。研究期間全体を通じて実施した研究の成果:1930年代に始まるフロベニウス多元環(入射的多元環)の研究は,多元環の表現研究の中心課題の一つとなっており,本研究ではこの多元環を主とし,対称多元環の礎石同型に関する研究と多元環の新しいホモロジー的次元に関する研究を研究期間全体を通じて実施した。礎石同型に関する研究は,ある曲面多元環に礎石同型となる有限次元対称多元環を分類する研究を行い,このような有限次元対称多元環の構造を求めた。またホモロジー的次元に関しては,生成余生成素の準同型多元環に関して,その大域次元と支配次元との関係に関する新たな次元を導入し剛性次元と命名して,その次元に関する一般論を展開し,さらに基本的で重要な多元環について剛性次元を求めた。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
Journal of Pure and Applied Algebra
巻: 226 ページ: ー
10.1016/j.jpaa.2021.106886
Advances in Representation Theory of Algebras, Contemporary Mathematics A.M.S.
巻: 761 ページ: 239, 257
10.1090/conm/76