研究実績の概要 |
今年度得られた研究成果は以下の通りである: Z_p-拡大体上の最大不分岐p-拡大のGalois群の降中心列の隣接商は高次岩澤加群と呼ばれ,古典的岩澤理論における岩澤加群の非アーベル的な一般化である.高次岩澤加群のZ_p-階数(高次岩澤λ不変量)は極めて重要で興味深い数論的対象であるが,その性質は未だ解明されておらず実例も殆ど知られていない.報告者の従前研究で3次以下の高次岩澤λ不変量λ^(i) (i=1,2,3)が随意に大きいZ_p-拡大を構成することに成功したのみであった.しかし本研究によって任意に指定されたi≧1についてλ^(i)が随意に大きいZ_p-拡大を構成することに成功した. 今後の課題はすべてのi≧1について同時にλ^(i)が随意に大きくなるようなZ_p拡大を構成することである.
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