研究課題/領域番号 |
19K03445
|
研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
野崎 寛 愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (80632778)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 正則一様ハイパーグラフ / 線形計画限界 / グラフの固有値 / s-距離集合 |
研究実績の概要 |
昨年度の実施状況報告書に記した,Jack Koolen(University of Science and Technology of China),Sebastian M. Cioaba(University of Delaware),Takayuki Okuda(広島大),Masato Mimura(東北大)との共同研究であるハイパーグラフの線形計画限界とその応用についての論文が完成し,専門誌への投稿が完了した. 篠原雅史氏(滋賀大)とs-距離集合(s-distance set)に関する研究に取り組んだ.s-距離集合とは,ユークリッド空間上の有限集合で,その互いに異なる2点間の距離の値がs種類しか出てこないものをいう.長く未解決であった「3次元空間上の頂点数最大となる5距離集合は正12面体に限られる」(正12面体予想)ことを証明することが出来た.その証明において重要な結果は.3次元における20点の5距離集合が,8点4距離集合を含むことである.8点4距離集合を埋め込み可能なグラフの分類により分類し,それらに5距離集合という性質を保ったまま,どれだけの点を付け加えられるかを,計算機により確認した.本論文は,Graphs and Combinatoricsへの掲載が決定している. 極大なs-距離集合とは,それ以上s距離の性質を保ったまま点を付け加えることができない距離集合のことを言う.ユークリッド空間における正則単体(regular simplex)を含む2-距離集合で極大なs-距離集合の無限列を構成した論文が,専門誌Discrete Mathematicsに掲載された.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ハイパーグラフの線形計画限界とその応用についての論文が完成し,正12面体予想に関する論文が専門誌に受理されたため.
|
今後の研究の推進方策 |
篠原雅史氏(滋賀大学)と須田庄氏(防衛大)との共同研究において,擬ユークリッド空間(pseudo-Euclidean vector space)でのs-距離集合の研究に進展を得ている.擬ユークリッド空間において,ユークリッド空間で成り立つグラフの埋め込みの次元に関する種々の主張についての一般化を行う.
|
次年度使用額が生じた理由 |
国際研究集会への参加が次年度へと延期になったため.
|