研究課題/領域番号 |
19K03457
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
小田 文仁 近畿大学, 理工学部, 教授 (00332007)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 有限群 / バーンサイド環 / 斜バーンサイド環 / 単数群 / 2-圏 / マッキー2-関手 / マッキー2-モチーフ / 双圏 |
研究実績の概要 |
有限群Gの可解性は、G のバーンサイド環の単元群と呼ばれる基本可換 2 群の階数で判別できることが知られている。一方、非可解な G に対し、G のバーンサイド環の単元群の構造に関する一般的な定理や G の構造との関係性についてはほとんど知られていない。そこで、いろいろな非可解群に対してそのバーンサイド環の単元群の構造を決定することは喫緊の課題として認識されている。A型コクセター群と呼ばれるクラスの有限群に対して、その部分バーンサイド環の単元群の構造に関する論文1編が Hokkaido Mathematical Journal に出版された。M. Wakatake との共著論文である。部分バーンサイド環の単元群はバーンサイド環の単元群の部分群である。A型のバーンサイド環の単元群の構造の下からの評価を与える結果である。 Balmer-Dell'Ambrogio が導入したマッキー2-関手の理論は斜バーンサイド環と以下のように関連していることが公表された。マッキー2-モチーフの2-圏における対象 G の恒等射の2-自己準同型環を M(G)、Gの斜バーンサイド環をBc(G)とする。このとき、M(G)とBc(G)の直既約直和因子たちがなす集合間に一対一対応が存在する。この定理に関連して、Bc(G)の直既約直和因子の個数はGの完全部分群とよばれる部分群の共役類の個数と等しいという結果を得た。Y. Takegaharaとの共著論文として公表予定である。この結果は2020日本数学会年会で講演予定であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(i) 大雪のためにキャンセルとなった2020年1月下旬の北大出張、新型コロナウイルスの影響のためにキャンセルになった3月上旬の室蘭工大出張、3月中旬の日本数学会年会(日本大学)出張等により、研究打ち合わせ、研究報告等が滞っているため。 (ii) 新型コロナウイルスの影響のため例外的な学内業務増により、研究時間がやや失われたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究実績の概要で述べた環 M(G) とBc(G) の直既約直和因子の集合間の全単射を通して、Bc(G) ですでに得られている結果をM(G)の構造究明に応用する。逆に、M(G)を構成する際に用いられている2-圏、2-関手、2-モチーフの理論と斜バーンサイド環 Bc(G) との関係を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
【次年度使用額が生じた理由】2020年1月に予定していた北大出張が大雪のためキャンセルになった。2020年3月に予定していた室蘭工業大学出張、日本大学出張が新型コロナウイルスの影響のためキャンセルになった。
【使用計画】新型コロナウイルスによる出張中止が長引くようであれば、遠隔会議ツールとしてPCのデバイスや周辺機器を購入するため旅費の一部を物品費に充当する。
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