「曲面結び目」とは、4次元ユークリッド空間内に滑らかに埋め込まれた閉曲面のことである。ここでは向き付けられた曲面結び目を扱う。 曲面結び目の中でも特に、ある曲面を底空間として、それの分岐被覆または非分岐被覆の形をした曲面結び目「分岐被覆曲面結び目」について、図式の変形や不変量を通して、その性質を研究した。具体的には、チャートというグラフの変形を通して得られる「単純化数」の評価を模索し、特殊な「分岐被覆曲面結び目」である「トーラス被覆結び目」の結び目群の既約なメタベリアンSU(2)表現の数について、アレクサンダー行列との関係、さらにフォックスのp-彩色によるカンドル彩色数との関係を求めた。
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