• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

結び目の対称和と本質的曲面

研究課題

研究課題/領域番号 19K03465
研究機関岐阜大学

研究代表者

田中 利史  岐阜大学, 教育学部, 准教授 (60396851)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードリボン結び目 / 対称和 / 曲面
研究実績の概要

本研究の目的は結び目の対称和の特徴づけ及び分類を行うことである。1984年の論文においてメナスコは交代絡み目の研究において,その外部の曲面を調べるための有効な手法を導入し,これまで結び目理論におけるいくつかの重要な問題の解決を行ってきた。その手法では,結び目補空間の曲面と球面との交わりに現れる曲線の性質を考察することにより,曲面の特徴づけを行っている。私はこれまで同様な手法を用いて結び目補空間の曲面の交わりを調べることで,結び目対称和の特徴づけ及び分類を行ってきた。
最終年度では,研究課題であるリボン結び目の補空間の曲面を用いたリボン結び目の研究において,特にリボン結び目の対称和表示の分類に関する研究を行った。その結果として,3次元位相幾何学的な手法を用いて対称和表示の分類を行うことができた。具体的には,対称和表示は同値なものを除いて有限個であるか,という問題に対して反例を与えることができた。また同じ結び目の対称和表示に関する結果について,幾何学的な手法を用いた証明を与えた。
その他の研究期間全体の成果として,合成リボン結び目の研究においては,合成対称和を構成するタングルが1個の場合に,それが2つの対称和の連結和であるかまたは,ある結び目とその鏡像からなる対称和の成分を含むことを示した。
サテライトリボン結び目の研究においては,合成対称和を構成するタングルが1個の場合に,その補空間に互いに平行でない圧縮不能トーラスが少なくとも2つ存在することを示し,さらにその結果を用いて,最小ねじれ数が2以上である対称和の存在を,結び目の双曲性を用いて示した。
一方で,対称和が絡み目の場合についても考察し各成分が対称和となることを示した。この結果より,対称和とその成分の最小ねじれ数の間の不等式を示すことができ,特に最小ねじれ数がいくらでも大な対称和の存在を示せた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A formula for the Jones polynomial of symmetric unions2022

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, Toshifumi
    • 雑誌名

      岐阜大学教育学部研究報告(自然科学)

      巻: 46 ページ: 1-6

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] On satellite knots with symmetric union presentations2021

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, Toshifumi
    • 雑誌名

      Osaka J. Math.

      巻: 58 ページ: 685-696

    • 査読あり
  • [雑誌論文] On equivalence of symmetric union presentations for ribbon knot2021

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, Toshifumi
    • 雑誌名

      J. Knot Theory Ramifications

      巻: 30 ページ: -

    • DOI

      10.1142/S0218216521500589

    • 査読あり
  • [学会発表] On equivalence of symmetric union presentations for ribbon knot2021

    • 著者名/発表者名
      田中利史
    • 学会等名
      拡大KOOKセミナー 2021

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi