ジョーンズ多項式の発見以降、物理学を巻き込む形で、結び目・3次元多様体に対して導入され た様々な量子不変量は、ドリンフェルド・神保等による量子群の理論に立脚した極めて代数的なものであり、量子不変量の幾何学的な定式化の欠如は、過去40年、研究者を悩ませてきたと同時に、量子不変量の本格的な幾何学への応用を妨げてきました。この問題に対する突破口になると期待されているのが結び目の体積予想であり、その研究は、すでに多くの副産物を産み出しています。今回の成果も、体積予想の証明だけでなく、結び目の半順序や、角度空間上の勾配流の研究等につながると期待しています。
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