結び目理論とは,絡み合った紐(結び目)を分類する学問である.結び目には,各々を特徴付ける,様々な構造が備わっている.カンドルコサイクル不変量は,結び目の分類に有用な代数的な量である.カンドルコサイクル不変量は,経験則的に,結び目の構造をよく反映することが知られている.そこで,カンドルコサイクル不変量が結び目の諸構造を捉える仕組みを解き明かすことを目標として,本研究を実施した.その成果として,特に,結び目が備える「ファイバー構造」・「ツイストスピニング構造」・「ザイフェルト曲面の構造」とカンドルコサイクル不変量との関係性を明らかにした.
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