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2022 年度 実施状況報告書

スピン幾何学の新展開

研究課題

研究課題/領域番号 19K03480
研究機関早稲田大学

研究代表者

本間 泰史  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50329108)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワードスピン幾何学 / クリフォード解析 / higher spin / ラリタ-シュインガー場
研究実績の概要

(1) 高次調和スピノール場の応用について考察し,次の問題設定を行い解決を試みた.(a) (Anti-) de Sitter空間上の高次スピノール場の調和解析への応用.(b)高次ディラック作用素に対する指数定理の計算及びその応用として高次調和スピノール場を持つ代数多様体の具体例の構成.(c)スピンcラリタ-シュインガー(RS)場をもつための整合条件を得た.電磁場をcoupledしたRS場とみなせるため物理的にも興味深い対称である.そこで,スピンcRS場を備えた多様体の構成.(d)高次調和スピノール場のスピンlowering-rasing作用素の構成(現時点では,条件が強すぎて面白くないので考察が必要).(e)高次ディラック作用素に対する因数分解公式の球面調和多項式へ応用.
(2)グラスマン多様体上の調和解析に関して,wedge-Dirac作用素を用いたsuper-Higgs代数の構成を試み.いくつかの作用素の関係式を明らかにしたが,複雑なため代数の構築には至っていない.
(1),(2)のどちらの試みも多少の進展はあったが,学術論文レベルまでの研究成果には至らなかった.これらの解決が今後の課題である.
また,次のように研究成果発表を行った.(1) 3月29~30日に国際研究会 mini-workshop「Global analysis and geometry」(古谷賢朗氏,多羅間大輔氏,本間泰史の共同主催)を実施し,国内外の研究者らと研究交流を行った.研究発表も行った.(2)本課題の基礎事項であるスピン幾何学について,集中講義を11月28日~12月2日に東北大学数学教室にて行った.また,談話会にて本課題の研究成果に関する講演を行った.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本来なら2022年度を本研究課題の最終年度のため,2022年度は研究成果発表を国外で実施する予定であったが,コロナによる影響のため実施しなかった.しかし,11月の東北大学集中講義・談話会発表を行い,3月末に大阪公立大学にてMini-Workshopを開催し講演を実施したので,成果発表の目標はある程度達成された.
研究課題に関する多くの問題設定を行い,一部は解決できたが,前年度と同様に学内での役職業務の忙しさのため研究が予定より進まず,論文になるレベルの研究成果を得るには至らなかった.研究実績の(1)については,多くの具体例を作ることが必要である.(2)については,得られた結果が複雑すぎるため,代数的な解釈による深い考察が必要である.

今後の研究の推進方策

研究実績で述べた問題の解決を引き続き考察する.特に,(1) スピンcラリタ-シュインガー場をもつ多様体の構成や分類について考察する.平行スピンcスピノール場をもつ多様体の分類と同様の方法で,平行スピンcラリタ-シュインガー場をもつ多様体の分類を行いたい.(2)skew-Dirac作用素らの関係式は得ているので,代数構造を明らかにしsuper-Higgs代数を構築する.
今年度は,国外の共同研究者が訪問予定であるため,共同でこれらの問題解決を試みる.また,研究の新しい方向性を探るために,国際研究集会を開催する.研究費はそれらの旅費として使用する.

次年度使用額が生じた理由

本研究課題の主な経費は海外旅費を用いて国際共同研究をすることであるが、コロナの影響で2022年度も海外渡航が難しい状況が続いた.2023年度は,国外共同研究者が来日予定であり,こちらも海外出張を実施予定であるので,国際共同研究を行い研究課題を進展させたい.研究費は,それらの旅費として使用する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [学会発表] Higgs algebra in harmonic analysis on the Grassmannian of 2-planes2023

    • 著者名/発表者名
      本間泰史
    • 学会等名
      mini-workshop, Global analysis and geometrry
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会・シンポジウム開催] mini-workshop, Global analysis and geometry2023

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公開日: 2023-12-25  

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