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2019 年度 実施状況報告書

特異点論は曲面論等の数学にいかに応用されるか

研究課題

研究課題/領域番号 19K03486
研究機関埼玉大学

研究代表者

福井 敏純  埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (90218892)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード特異点論 / 特異曲面
研究実績の概要

特異点論の偏微分方程式への応用に関しては、研究集会 Real and complex singularities in Cargese, Apr 29 -May 3 2019,で今までに得られている成果を報告した。タイトルは On Bifurcation model for several nonlinear problemで非線形Dirichlet 問題の重複固有値からの分岐のモデルを構成する話で、ヒルトップ分岐より複雑な分岐が現れる現象を説明した。
特異点論の曲面等の幾何学への応用に関しては、今までに得られている成果を
6th International Workshop on Singularities in Generic Geometry and its Applications, 21-25 October 2019, で報告した。Invited speaker としての報告でタイトルは Local differential geometry of cuspidal edge and swallowtail である。3次元ユークリッド空間における、特異曲面とくにgeneric なfront として現れる尖辺(カスピダルエッジ, cuspidal edge) と燕尾(ツバメの尾、swallowtail) の標準形の理論の解説で、特異点型の判定や、すべての有限型不変量の記述を含む成果である。
2019年11月に中国吉林省長春市東北師範大学に出張し、共同研究者である東北師範大学裴東河氏、斉斉哈爾大学李強氏と研究連絡を行った。既に得られている結果の論文原稿推敲と、球体での非線形Dirichlet 問題の解の分岐モデルの考察が目的で、一定の進展を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

論文 Local differential geometry of cuspidal edge and swallowtail がOsaka Mathematical Journal に出版されることが決定した。
2019年11月に中国吉林省長春市東北師範大学に出張し、共同研究者である東北師範大学裴東河氏、斉斉哈爾大学李強氏と研究連絡を行った。既に得られている結果の論文原稿  Bifurcation Model from Initial Nonlinear Term of Nonlinear Equations の推敲を行い不正確な記述を解消できたと思う。この論文は投稿できた。現状ではまだ査読者からのリアクションはない。球体での非線形Dirichlet 問題の解の分岐モデルも考察し、まだ完全な解明には至らないものの、一定の進展を得ることができた。
その他のトピックとして九州大学加葉田雄太朗氏、岩手医科大学の長谷川大氏に埼玉大学に来ていただき、研究上の討論をした。最近学生と中心射影の特異点の解析をはじめているが、余次元が2以上の退化する特異点の条件を幾何的に特徴づけるのはしばしば難題であるが、討論の結果ガウス写像の特異値の曲率との関連を見出すことができ部分的であるが進展を得ることができた。12月には東京大学でHyperplane arrangement and the 8th Japanese-Australian Workshop on Real and Complex Singularities,, Memorial conference for Professor Stefan Papadima, 2--6 December, 2019 を開催することができ、田島真一氏, Atia Afroz氏との研究連絡も有益であった。

今後の研究の推進方策

現在、大きく3つの研究が進行中である。1つは、3次元ミンコフスキー空間内の尖辺の研究で、準備段階である3次元ミンコフスキー空間内の曲線の基本定理の証明は満足すべき形で完了した。これを基に尖辺の標準形の研究を共同研究者である東北師範大学裴東河氏、吉林財経大学于海鴎氏と進める。Local differential geometry of cuspidal edge in Minlkowski 3 space (仮題)として執筆準備中である。2つ目は偏微分方程式の分岐モデルの研究で、東北師範大学裴東河氏、斉斉哈爾大学李強氏と共同で行っているものである。偏微分方程式の主非線形項から決まる分岐モデルが退化する場合も考察が可能であることがわかってきたの。Atia Afroz 氏との共同研究であるFisher の方程式の分岐問題もこの枠組で扱える。非線形Dirichlet問題や非線形Neumann問題の第2の分岐モデルの研究で The second bifurcation model of several nonlinear problems (仮題)として執筆準備中である。3つ目は加葉田雄太朗氏や学生の本多修平氏との研究で3次元ユークリッド空間内の曲面の中心射影に関するものである。これはできるだけ本多修平氏主体の研究として進めたい。その他にもバレンシア大学のJuan J. Nuno Ballesteros や岩手医科大学の長谷川大氏とやりかけの研究もあり機会があれば進展させたいと考えている。以上のような状況であるから、現在進行中の研究プロジェクトをブレーキをかけず進めていくことが大事と考えている。Covid19の早期終息が望まれる。

次年度使用額が生じた理由

2,3月のCOVID19 流行に伴いいくつかの出張予定をキャンセルしたことに伴うもの

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 学会・シンポジウム開催 (1件)

  • [学会発表] On bifurcation model for several nonlinear problems2019

    • 著者名/発表者名
      Toshizumi Fukui
    • 学会等名
      Real and complex singularities in Cargese
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Local differential geometry of cuspidal edge and swallowtail2019

    • 著者名/発表者名
      Toshizumi Fukui
    • 学会等名
      6th International work- shop on Singularities in generic geometry and its application, University of Valencia,
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会・シンポジウム開催] Hyperplane arrangement and the 8th Japanese-Australian Workshop on Real and Complex Singularities, University of Tokyo2019

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公開日: 2021-01-27  

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