研究実績の概要 |
交付申請書に記載した5つの研究目的のうち,今年度は(II)ねじれアレキサンダー多項式のねじれゼータ関数を用いた表示,ファイバー結び目の場合のねじれレフセッツゼータ関数を用いた表示,(V)錐多様体を含む双曲多様体の体積表示,について主に研究を行った.(V)については昨年度に「Twisted Alexander polynomials, chirality, and local deformations of hyperbolic 3-cone-manifolds」というタイトルで論文にまとめた.これは研究協力者である森藤孝之氏との共同研究である.専門誌に投稿したところ,論文で引用している研究代表者の先行研究を本論文の内容に適用するにあたりその詳細を書くようレフェリーから指摘を受けた.時間がかかったが指示通りに加筆再投稿しAnnales Mathematiques Blaise Pascalからアクセプトをいただけた. さらに研究目的の(II)について研究を進め,ファイバー結び目のモノドロミー行列のトレースを用いた体積表示を得ることができた.この結果とその後得られた8の字結び目の体積に関わる結果をまとめて論文にし専門誌に投稿した.論文にまとめるにあたり,9月に参加した北海道大学での日本数学会での研究最先端の情報の収集,およびその場での研究情報交換がとても役に立った.その内容を「ファイバー結び目の体積表示」というタイトルで12月に日本大学文理学部で開催された研究集会「結び目の数理V」で発表した. また,4月の山梨大学でのセミナーおよび5月の京都大学数理解析研究所での研究集会に参加し研究最先端の情報の交換,収集を行った.
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