研究課題/領域番号 |
19K03488
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
内藤 久資 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (40211411)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 離散幾何解析 |
研究実績の概要 |
1.3分岐離散調和曲面に対する局所的なワイエルシュトラス表現公式を構成した.さらに,それを用いて,3分岐離散調和曲面の細分列に対する収束定理を証明した. その具体例として,3分岐エネパー形調和曲面を構成し,その細分列は,古典的な極小曲面であるエネパー曲面に収束することを示した. 2.3次元ユークリッド空間内に配置された entangled graph および weaving の絡み合いを定義し,それらの間に反発項を含むエネルギーを定義することで,絡み合い成分ごとに,時間に対して 1/3 乗の速度で分離することを示した. 3.教師なし機械学習(ニューラルネットワーク)を用いて,複数粒子に関する1次元シュレディンガー方程式の基底状態およびいくつかの励起状態を計算した. 特に,複数のフェルミオンに対する状態を,ボソンに対する状態と同じ手法で計算した. 4.平面内の多角形および空間内の多面体を,簡単な教師データを用いたニューラルネットワークで生成できることを示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3分岐離散調和曲面に対するワイエルシュトラス表現公式を,局所的であっても構成することができ,それによって3分岐離散調和曲面の細分列に対する収束定理を示すことができた.
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今後の研究の推進方策 |
我々が構成した3分岐離散調和曲面に対するワイエルシュトラス公式は局所的なものであり,例えば,この公式を用いて離散カテノイドを構成することはできない. このようなモノドロミーをもつ曲面にも適用可能なワイエルシュトラス形公式の構成を考える. また,3次元空間に配置された3次元的グラフの絡み合いの反発力をもつエネルギーに関する安定構造を求める.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症による研究集会などへの出席が少なかったことにより,旅費の支出が予定額よりも少なくなっていたため,累積して次年度使用額が生じた. 今年度は,国際研究集会を含め,研究成果発表を積極的に行う予定である.
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