研究実績の概要 |
「研究の目的」にあるように、図式的アプローチにより結び目の研究を行い、次の研究実績が得られている。 (I) 仮想結び目の不変量に関し、比嘉隆二、中村拓司、佐藤進との共同研究による成果である。検討の結果、4つに分割して論文作成することにした。(1),(2),(3)は出版されている。(4) は投稿中である。これらの成果は研究集会で報告済みである。(1) 新しい多項式不変量を得た。定義とその計算方法を与えた。(2) 連結和に関してどのような振る舞いをするのかの公式を与えた。(3) どのような多項式がこれらの不変量になるのかの必要十分条件を与えることに成功した。(4) これらの多項式不変量の組み合わせにより、平坦仮想結び目の不変量が得られた。交差数や仮想交差数の評価を与えた。 (II) 結び目の Conway 多項式が pass-move による変形でどのような振る舞いをするかを研究した。未解決であった、pass-move 1回で解けるような結び目の Conway 多項式の特徴づけを与えることに成功した。高木駿希との共同研究による成果である。現在のところ、論文作成中である。この成果は研究集会で報告済みである。 (III) 絡み目の重要な類である pretzel link がいつ slice になるかについて研究した。渋谷哲夫、塚本達也との共同研究による成果である。出版されている。この成果は研究集会で報告済みである。 (IV) tangle および braid における Fox coloring に関し、必要十分条件を与えた。中村拓司、佐藤進、和田康載との共同研究による成果である。現在のところ、論文作成中である。この成果は研究集会で報告済みである。 「研究実施計画」に基づき、結び目や低次元多様体の多岐にわたる話題に精通している研究者との交流を進めてきた成果として得られている。
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