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2020 年度 実施状況報告書

算術的準結晶の幾何学

研究課題

研究課題/領域番号 19K03504
研究機関明治大学

研究代表者

砂田 利一  明治大学, 研究・知財戦略機構(中野), 研究推進員 (20022741)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード準結晶 / 一般化されたリーマン和 / ポアソンの和公式
研究実績の概要

Springerから出版予定の『Topological Crystallography』第2版では、結晶デザインに関連して確立したtight frameの理論、2次元結晶の標準的実現と複素2次曲面の有理点(正確には虚2次体の数を座標とする点)の間の関係、一般化されたポアソンの和公式により特徴づけられる非周期的結晶の理論、個体の比熱に関するDebyeの法則の厳密な導出などを付け加えた。さらに、有限グラフに付随する伊原ゼータ関数や、有限グラフのアーベル被覆グラフのスペクトル理論についても、代数的数論との類似を強調するため新たに解説を付け加えた。
正規直交基底の一般化であるtight frameは元来wavelet analysisにおける概念である。これが結晶構造の標準的実現と関連することから、ルート格子の理論や、グラスマン多様体の有理点との関係を調べるに至ったのである。非周期的結晶に関しては、一つの特殊例としてEisenstein triplesに関連する算術的離散的集合の研究を行い、より一般の算術的離散集合の研究への出発点とした。一般化されたポアソンの和公式に関しては、これまでの解釈とは異なる定式化を与え、これを用いて2種類の非周期的結晶の構造を研究した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍の中、予定していた研究出張および講演活動はすべてキャンセルになり、残念ながら論文、論説、著作の執筆活動に限定せざるをえなくなった.

今後の研究の推進方策

一般化されたポアソンの和公式を用いた非対称結晶の理論をさらに拡張する。位相的結晶理論から派生した離散的代数幾何学の理論の充実化を図る。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の中、予定していた研究出張および講演活動はすべてキャンセルになり、論文、論説、著作の執筆活動に限定せざるをえなくなった。感染状況の様子を見ながら、本研究に関わりのある東北大学(AIMR)や名古屋大学(多元数理研究科)への研究出張を再開する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Coincidence or Destiny2021

    • 著者名/発表者名
      Toshikazu Sunada
    • 雑誌名

      Notices of the American Mathematical Society

      巻: 68 ページ: 81-93

    • DOI

      10.1090/noti2208

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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