2年ほど前から、難病指定の病気と腎臓の疾患のため体調を崩し、入退院を繰り返していた。そのため、研究は思うように進まず、さらに新型コロナ蔓延のため、外出もできずにいた。従って、実績の概要を述べるまでに至っていないが、ユークリッド空間内の離散集合の研究は、ある程度の結果を得ている。最も興味ある対象は、「算術的」に定義された離散集合であり、その典型的例としてアイゼンシュタイン数に関連する離散集合がこれまでの研究対象であった。その分布について、一般化されたリーマン和の観点から知見を得ている。さらに、非周期的結晶構図の例としても興味深い。体調が戻れば、さらにこの方向で研究を続ける所存である。 さらに以前からのプロジェクトとして、拙著「Topological Crystallography」の増補版を出版予定であり、高木の類体論や、「クロネッカーの青春の夢」の離散版を含む原稿は書き上げたものの、出版までには至っていない。その理由は上で述べた病気のためであり。できるだけ早く出版にこぎつけたいと思っている。
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