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2021 年度 実施状況報告書

3次元多様体の基本群の指標多様体と位相的構造との関連について

研究課題

研究課題/領域番号 19K03505
研究機関創価大学

研究代表者

北野 晃朗  創価大学, 理工学部, 教授 (90272658)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードReidemeister torsion / 基本群 / SL(2;C)-表現 / 指標多様体 / 代数的整数
研究実績の概要

3次元多様体の基本群のSL(2;C)-既約表現を考える. 多様体と表現の組に対してReidemeister torsionは定まり, これはSL(2;C)-指標多様体の上の複素数値関数を与える.
この関数の振る舞い, 特にその値の像について, 研究を行い, 次のような結果を得た. これらについては野崎雄太氏との共同である.
1. 3次元球面内の8の字結び目に沿ったデーン手術から得られる3次元多様体に関して, SL(2;C)-既約表現から定まるReidemeister torsionの値は代数的整数となることを示した. これについては, 以前にMathematicaを用いた数値的な計算により, ある程度の範囲でそうなることが分かっていたが, 今回理論的に成り立つことが確かめられた.
2. 8の字結び目を含むツイスト結び目の中のあるクラスにおいて, この結び目に沿ったデーン手術から得られる3次元多様体に拡張されるようなSL(2;C)-既約表現に関して, この結び目の外部のReidemeister torsionの値が代数的整数であることを示した.
3. 緩やかな条件を満たしたBrieskorn多様体に対して, その値が常に代数的な整数であることを証明した. これに関しても, 以前には, トーラス結び目のデーン手術で得られるような, より狭いクラスに関しては確かめられていたものを今回, より一般の場合に証明した.
4. これらと関連して, 2つの2橋結び目のスプライシングで得られるホモロジー3球面に対して, 2つの結び目のうちに一つに関してある条件を課すと, Reidemeister torsionの像は無限集合となることを示した. これに関しても以前の野崎氏との共同研究において, 値が有限集合となる例を考察していたが, そうなってはいない例の構成について考察をした.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナ禍によって, 国内外の移動に制限が加わっていること, さらに研究活動以外の部分での行動制限などが影響した. 共同研究の打ち合わせが全てオンラインになっており, 特に海外の連携研究者との打ち合わせは時差も関係して, 設定に難しいところもあった. これらのことから進展が遅れていると思われる.

今後の研究の推進方策

コロナ禍も3年目となり, 一昨年に比べれば昨年はさまざまな部分, 特にオンラインでの研究活動に関して, 対応できるようになってきたので, 今年度はさらにそれらをうまく活用をしていく. また, 人の移動も徐々に可能になってきているので, 国内外の連携研究者と直接会って議論, 検討を行う場を作ることを計画していく.

次年度使用額が生じた理由

前年度に引き続きコロナ禍であったため, 予定していた海外からの研究者の招聘, および海外出張ができなかったために, そのための予算が使えず, 次年度使用額が生じた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] Aix-Marseille Universite(フランス)

    • 国名
      フランス
    • 外国機関名
      Aix-Marseille Universite
  • [学会発表] Reidemeister torsion の代数的整数性について2022

    • 著者名/発表者名
      北野晃朗, 野崎雄太
    • 学会等名
      2022年度日本数学会年会トポロジー分科会

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公開日: 2022-12-28  

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