研究実績の概要 |
結び目群の間に全射準同型写像が存在した場合に, それら結び目の間にどのような幾何学的な性質が成り立つか, 例えば, それらの種数の間に大小関係が存在するかどうか、などについて研究を進めている. 2010年頃に研究をしていた結び目群の間の全射準同型写像で, longitudeが自明な元に写る結び目群の間の具体例が見つかっていたが, これらについて再び考察を始めた. その当時には考察がそこまで至っていなかったが, これらが結び目のsymmetric unionと呼ばれる構成と関係していることがわかり, その方向でMichel Boileau氏(Aix-Marseille大学), 野崎雄太氏(横浜国立大学)と共同研究を行い, 今現在も進行中である. この主要な道具は指標多様体とtwisted Alexander多項式である. これらについては現在, 論文を準備中である. また, これとは別に表現と多様体との組に関してReidemeister torsionと呼ばれる不変量がある. トーラスを境界にもつ3次元多様体についてこれを考えた場合, SL(2;C)-表現の指標多様体上の関数を与える. 一方で量子トポロジーにおけるChern-Simons摂動理論の枠組みから得られる不変量があり, Riedemeister torsionとの関係について研究が行われてきている. これについて清水達郎氏(東京電機大学)と共同で研究を行なった. こちらも現在論文を準備中である.
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍で海外からの招聘が行えなかったこと, 海外出張を行えなかったことが理由である. 次年度は状況の変化から実施できる予定である. また国内で開催される研究集会, 国際会議などへ, より一層積極的に参加し情報収集, 交換に努めていく.
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