研究実績の概要 |
加藤毅氏,安井弘一氏との共同研究を行い,Seiberg-Witten 不変量についての simple type 予想に関わる結果を得た.それは,モジュライ空間の次元が正のときのSeiberg-Witten 不変量が偶数であるための十分条件が多様体のコホモロジー環の条件として与えられるというものである. simple type 予想についてはこの四半世紀,あまり進展がなかったので,この結果は重要なステップとなりうると考えられる.この結果は論文にまとめられ,雑誌に投稿し,掲載を受理された状態である. 加藤,安井両氏との別の共同研究として,Bauer-Furuta 不変量に関する研究を進め,blowup formula の一般化とその応用, immersed adjunction inequality などの結果を得た.これらの結果を論文にまとめているところであるが,もう少し応用の広がりが期待でき,研究を継続中である.. また加藤毅氏,今野北斗氏と共同研究として4次元多様体の族の研究を継続して行い,次の結果を得た.4次元多様体をファイバーとする円周上の二つの束 E, F で以下の性質を持つものを構成した.(1)全空間は微分同相, (2)位相的なファイバー束としては同型, (3)滑らかなファイバー束としては同型でない.この結果はひとまず短い論文にまとめ arXiv に掲載しているが,まだまだ発展の余地があり,現在この論文の増補拡大へ向けての研究を継続している. Pin(2)モノポール不変量とReal structure に関する論文が International Jounal of Mathematics から出版された.
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