研究実績の概要 |
量子トロイダル代数を基に構成された変形W代数およびそのスクリーニング作用素を活用し、それらの自由場構成から、リー環 D_N^(1),およびリー環 E_l^(1) (l=6,7,8)に付随する変形W代数の無限個の非局所保存則 G_n の自由場構成の式の予想を与えた。さらに、古典型 D_N^(1)の場合に、非局所保存則自身の可換性 [G_m, G_n]=0 および G_mと局所保存則 I_m との可換性 [I_m, G_n]=0 を証明した。これは神保道夫氏との共同研究である。これらの研究は、リー環A_N^(1)の場合について小島が白石潤一氏らと共に2005年~2007年に行った研究の拡張に相当する。より正確には、A_N^(1)の場合でも積分路の選び方が、捻らずに円周上にとる、という以前のA_N^(1)の研究とは異なる積分路をとっている。変形W代数の構成に量子トロイダル代数を活用している点も異なっている。また、昨年度の Twisted A_2N^(2) 型の変形W代数の生成元の母関数の満たす2次関係式を報告した論文を、学術雑誌 SIGMA にて出版した。
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