本研究では積分幾何学の超局所解析および幾何学的トモグラフィーについて研究した。まず、地震学に現れる平面上の双曲型ラドン変換と放物型ラドン変換の再生公式の精密化と高次元化を行った。これらの結果は既に2編の論文として出版されている。次に平面のなす空間上に複素数値相関数を持つフーリエ積分作用素を導入した。これはラドン変換の像の超局所化を与えるものである。最後に、ユークリッド空間上のd平面変換のフーリエ積分作用素としての正準関係を具体的に記述した。さらに線質硬化によるCT画像の乱れは2つの凸金属領域を包む超曲面を特異台とする conormal distribution であることを証明した。
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