研究課題/領域番号 |
19K03576
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
神保 秀一 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80201565)
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研究分担者 |
本多 尚文 北海道大学, 理学研究院, 教授 (00238817)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 楕円型方程式系 / 複雑構造 / スペクトル / 漸近解析 |
研究実績の概要 |
弾性体方程式の解の研究: 1. 大きな振幅をもち非常に精細な空間変動をもつ準周期的な媒質の変形を表す弾性方程式の解の漸近挙動を研究した。そのため異なる2つのスケールを表す変数をもつ許容関数の積分値の収束性を解析した。またこの作用素の固有値の特徴付けの研究をすすめた。非常に微細な空間変動をもつ関数の弱収束および積分値に関する漸近挙動の解析を行った。許容関数をテスト関数とする弱形式型の方程式の極限を解析することによって、この固有値問題の漸近解析を行った。2. 元来の研究目的である細長いトンネルをもつ領域における弾性体作用素の固有値の漸近挙動を研究した。また、変数係数方程式の場合に研究を拡大した。3. 細長い物体形状において断面形状が一定方向に著しく不均質な場合のBending mode の固有値の漸近挙動を研究した(連携研究者、牛越氏(横国大)の課題への貢献をした). 非有界領域におけるスカラー反応拡散方程式の研究:1. 大きなエンドをもつ非有界領域およびネットワークにおける熱方程式の基本解の遠方での漸近挙動および時間減衰の研究をした。特に、時間減衰オーダーの決定や空間微分の減衰の特徴付けをレビの方法による構成法に準拠して求めた。2. 上記の非有界領域におけるスカラー反応拡散方程式の解の漸近挙動を解析した。この方程式の作るダイナミクスの中心となる時間全域解の存在を研究した。前記で求めた基本解の性質を活用して遠方での解の制御の評価を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
連携研究者との情報交換がスムーズに進行せず。論文執筆が遅延したことがあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
複雑領域における弾性体方程式の解の研究を中心に研究してきたが、これを物理的なケースに関連する様々な場合にも適用して結果を発展させる予定。いままで得られた結果をまとめて論文を執筆し、研究を発表する予定。次に均質化問題と関連して精細構造をもつ形状の弾性体のマクロな振動特性の問題を研究する。さらに非一様な均質化問題も考える。本研究の興味が多少ぶれて複雑な非有界領域における反応拡散方程式に手を広げたい。これは本研究から少しずれるが良いアイデアが出て意欲がわいたところなのでこの調子で進めたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの疫病のため国内外への研究発表打ち会わせが中止になり経費を使用しなかったため。 研究協力している電気通信大学伊東氏との研究打ち合わせ、論文執筆のための旅費などの経費にあてる
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