研究実績の概要 |
令和5年度の主な研究課題は昨年度に引き続き「1.算術の超準モデルにおける同型定理のラムゼイの定理の分析への応用」「2.算術的超限再帰に関連する計算可能次数の新分離手 法および階層構造の発見」「3. パラメータ付き計算量理論におけるMRDP定理の影響の解明」であった.研究はシンガポール国立大学の T.L.Wong博士およびワルシャワ大学のL.Kolodziejczyk教授,復旦大学のY. Chen教授,パッサウ大学のミュラー教授,東北大学博士課程の鈴木氏らとの共同で行った.既に主要な成果そのものは令和4年度に完成しており,各テーマについての論文の執筆を進め,国際論文誌に投稿し,査読を得ての改訂作業を進めた.特に,1の成果については今年度において数学分野の主要学術論文誌に論文が受理されており,さらに後継課題としてこの手法の応用を軸に強制翻訳による証明の長さの分析を行う新手法の研究が進展中である.また,2,3についての論文についてもポジティブな査読レポートを得て改訂作業を進め,現在最終版が投稿済みとなっている.さらに2については算術的超限再帰を越える可述・非可述の中間領域と呼ばれる公理系・計算可能次数の階層構造の発見まで研究成果を進展させることができた.こちらについても後続の研究課題の中心テーマの一つとして,研究を継続して行っている.以上により,本研究課題における主要研究テーマが全て完成,あるいは発展した形で後継の研究課題に引き継がれた.
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