研究課題/領域番号 |
19K03603
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
藤田 慎也 横浜市立大学, データサイエンス学部, 准教授 (60424206)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 辺着色グラフ / グラフの分割問題 / グラフの次数条件 |
研究実績の概要 |
この年度における主要な研究実績としては、本研究課題の中心的テーマである辺着色されたグラフ上の分割問題に関する予想を提起し、その部分的解決を示した論文”Decomposing edge-coloured graphs under colour degree constraints. Comb. Probab. Comput. 28(5): 755-767 (2019)”(Ruonan Li, Guanghui Wangとの共著論文)が掲載されたことである。この予想が解決すると辺着色グラフの様々な未解決問題を解決する上での証明中の帰納的議論が円滑に進む可能性があり、多くの当該分野の研究者たちの注意を惹いている。この研究成果に関連する研究として、辺着色グラフにおける全ての色が異なるような閉路の存在に関する研究成果をまとめた論文がDiscrete Math.に掲載された。さらに、グラフの支配数に関して新たな知見が得られ、成果をまとめた論文がDiscrete Applied Math.に掲載された。グラフの支配数に関する考察は、辺着色グラフの内部構造の把握において役立つ可能性があり、現在もそのような応用可能性を模索しながら研究中である。 今年度得られた研究成果については、台湾と中国で行われた国際会議、および、金沢大学で行われた日本数学会秋季総合分科会、龍谷大学で開催された応用数学合同研究集会において成果報告を行った。さらに、今年度末には組合せ論とその応用に関する研究集会を琉球大学で開催し、国内の共同研究者たちとのグラフ理論の共同研究・成果報告の機会の場を提供した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
グラフの辺着色グラフの研究について、国内外の共同研究者たちと様々な視点による共同研究を推進し、現在着々と新しい成果が得られているところである。従って、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
コロナウィルスの影響で国際会議の参加や海外の研究者訪問がなかなか実現しずらい環境ではあるが、EメールやZoomによる遠隔ミーティングを活用することで共同研究者たちと継続してディスカッションを行い本研究をなるべく当初の研究計画通りに推進する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度後半はコロナウィルスの影響で、予定していたいくつかの研究出張が出来なかった。そのため、残額が生じた。次年度使用額の使用計画としては、今年度は延期せざるを得なかった研究出張についてコロナウィルスの影響が落ち着いた後で再開するときに使用する予定である。
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